価格転嫁は約5割
コスト削減には限界も
関税率に苦しむ日本企業の対応策としては、一つには関税率が上がった分を価格に転嫁する方法だが、ジェトロのアンケートによると、転嫁できている割合は約5割程度で、3~4割は自社のコスト削減などによる企業努力でカバーしているという。
自動車の場合も、関税率の上昇で製品価格をそのまま上げると、価格競争力が落ちて売り上げ減少になるため、実際の現場では価格を引き下げる動きが多かった。しかし、いつまでも下げていては利益が出ないため、ここにきて、一部企業ではやむを得ず値上げに踏み切るところも出ている。
少しでも関税率を下げようと、これまで日本で調達していた部品を現地の米国で調達するというサプライチェーンそのものの変更の動きもある。しかし、「仮に新たな調達先に変えると、その部品を組み込んだ製品が大丈夫なのかどうか、新たな認定、お墨付きを得なければならず、時間がかかる場合がある」(伊藤課長)と話す。
新たな販路の開拓は、様々な困難が伴うが、グローバル市場を相手にする企業にとって、リスクを最小限にするためには、サプライチェーンと新規顧客の開拓に不断の努力が求められている。輸出企業はトランプ関税を糧に、あらゆるリスクに備えることが生き残りの鍵だといえるだろう。
