2026年4月8日(水)

プーチンのロシア

2026年4月8日

 ウクライナの無人機(ドローン)技術が世界的な注目を集めている。2022年のロシアによる侵攻開始以降、軍民が一体となって廉価な防衛手法を編み出さなくてはならなかった苦境が、ウクライナをドローン先進国に押し上げた。

(sarymsakov/daboost/gettyimages)

 基盤となっているのは、民間企業の強い意欲と旧ソ連時代からの名残である高い教育水準だ。戦時下でも、IT産業は生き残りをかけて活発な活動を続けており、そのようなウクライナの取り組みが思わぬ形で成果を生み出しつつある。

迎撃用ドローンの〝アマゾン〟

 「ウクライナの軍人は、オンラインで日用品を購入するように、われわれのウェブサイトで武器を―迎撃用ドローンを購入する。迎撃用ドローンを購入できるアマゾンのようなものだ。このような状況を英国やドイツの専門家らに話すと、彼らは理解できないという顔をする。彼らの国の軍需産業では、考えられないことだからだ」

 ウクライナのドローン大手「TAFインダストリーズ」のオレクサンドル・ヤコベンコ最高経営責任者(CEO)は自国メディアの取材にこう答えた。豊かな髭をたくわえ、パーカーを身にまとったラフな姿は欧米の新興ITベンチャー企業のトップさながらだ。

TAFインダストリーズのヤコベンコCEO(同社HPより)

 彼はこう続けた。「(欧米の関係者に対する)僕の説明はシンプルだ。〝なぜそんなことが可能なのか。それは、われわれのチームの一人ひとりが、何をなすべきか理解していて、そのタスク(課題)に最大限集中するからだ〟」。分業制が整えられ、ベルトコンベヤーで商品を組み立てるよう迅速な流れ作業でドローンが生産される、同社の工場の姿が浮かび上がる。

 ウクライナのドローン産業に対する世界の注目は高まる一方だ。

 「ウクライナは無人機防衛で最も経験が豊富だ。世界は、私達の経験なしで自国を守ることはできない」

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ドローンを活用した防衛技術における自国の優位性をそう強調する。米国、イスラエルの攻撃を受けるイランは報復として、米軍基地を持つほかの湾岸諸国に対し無人機「シャヘド」を使った攻撃を繰り返している。これに対し各国はウクライナに支援を要請し、サウジアラビアやカタール、アラブ首長国連邦(UAE)などにはウクライナから数百人規模の専門家が派遣された。


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