2026年3月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年3月23日

 ワシントンポスト紙の3月5日付け解説記事が、イランによるドローン等による攻撃に対し、中東諸国のみならず米国も、ドローン技術の専門性を磨いてきたウクライナに協力を求めている、と指摘している。要旨は次の通り。

(sarawuth702/Silent_GOS/gettyimages)

 ゼレンスキー大統領によると、米国と中東の同盟諸国は、イランのシャヘド・ドローンへの対抗策としてウクライナのドローン技術を求めている。同大統領はここ数日、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーン、ヨルダン、クウェートの首脳らと協力の可能性について協議したと述べた。

 ロシアはウクライナに全面侵攻して以来、数万機のシャヘドを発射し、800機以上の無人機と囮機による過去最大の夜間集中攻撃を実施している。イランは同型の無人機を、米イスラエル合同攻撃に対する報復として、中東諸国に向けて発射した。

 ゼレンスキー大統領は、イランの無人機対策におけるウクライナの支援は、ウクライナ自身の防衛力を弱めず、またロシアの侵攻阻止に向けたキーウの外交努力に有利に働く場合にのみ提供されると述べた。

 同大統領は3月5日午後、中東における無人機対策支援の要請を米国から受け、装備をウクライナの専門家と共に提供するよう命じたと発表した。ただし詳細は明らかにしなかった。

 ウクライナは、わずか1000ドルという低価格の無人機撃墜装置の開発で先駆者となり、防空システムのルールブックを書き換え、他国の注目を集めている。

 昨年9月、ポーランドが安価なドローンによる領空侵犯に対応し、F-35、F-16戦闘機、ブラックホーク・ヘリコプターなど、数百万ドル規模の軍事アセットを緊急発進させたことで、欧州諸国は防空体制のあり方の変化を痛感した。

 ウクライナのメーカーは、シャヘドの追跡・破壊を専門に設計された低コストの迎撃ドローンを開発しており、急速に拡大するドローン産業は生産能力過剰の状態にある。ゼレンスキー大統領は今年初め、ウクライナは実戦で実証済みのシステムの輸出を開始すると発表した。

 欧州連合(EU)のカヤ・カラス外交・安保政策担特別代表は、3月5日のEU・湾岸諸国外相会議の議長を務めるにあたり、協議ではウクライナの経験がイランのドローンへの対抗策として各国にどのように役立つかを検討すると述べた。

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