江藤拓農林水産相が「私はコメを買ったことはありません。支援者の方がたくさんくださるのでまさに売るほどある」などの発言で5月21日に事実上更迭され、後任に小泉進次郎氏が任命された。

農林水産大臣に任命された小泉進次郎氏(ロイター/アフロ)
小泉氏は、将来の総理として期待され、昨年9月の自民党総裁選にも出馬したが、雇用流動化を巡る発言などによって国民の評価が低下してしまった。小泉氏に対しては生煮え、準備不足との批判が付いて回り、他候補や野党から、「労働解雇規制を緩和する」という発言を〝首切り自由化政策〟などと攻撃され、失速した(これについては、本欄2024年9月13日「<検証>自民党総裁選候補の9人の経済政策、日本経済を救う尖ったアイデアは洗練されるのか」参照)。結果、小泉氏は、総裁選の第1回投票で3位に終わり、決選投票に残れなかった。
小泉氏が、国民に関心の高いコメ価格高騰問題を解決すれば、国民の評価が回復することは間違いない。また、人気低迷に悩む石破茂内閣としても、政策面での評価を高め、選挙応援力で群を抜く小泉大臣の存在を参院選対策でも有効に活用できるだろう。しかし、そのためには、いくつかの〝壁〟が存在している。