2025年12月24日(水)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2025年12月24日

 子供から大人まで大人気のイクラ。日本では魚離れなどと言われていますが、イクラが嫌いというのはあまり聞いたことがありません。そのイクラがサケの大不漁で、キロ2万~3万円と昨年同期比で2倍強になり史上最高価格になっています。

イクラの軍艦(筆者撮影)

 2025年の北海道での水揚量は、1980年以降で最低だった24年の約4万3600トンを下回ることが確実で、11月末で1万4465トンと前年同期比67%も減少しています。また懸念されるのは、26年の4年魚の来遊量を左右する3年魚が少ないことが分かっており、さらに減少する予測が出ていることです。サケの回帰量が減れば、その卵であるイクラも減ります。

 20年ほど前までは年間20万~30万トン漁獲されていたサケ。温暖化による資源の減少が原因とされることが多いです。

 ところが世界に目を向けると、サケの資源管理に関して根本的な違いがあることが分かります。「間違った前提に対する正しい答え」を探していても良くなるはずはありません。現実を直視してみましょう。

世界に目を向けてわかること

 下のグラフは、日本と米国それぞれのサケ・マス類の漁獲量推移を示しています。オレンジが米国で、凸凹があるもののほぼ横ばいであるのに対して、青色の日本の数字は激減してしまっています。

 温暖化の影響とされるサケの漁獲量の減少。日本だけの視点では、もっともらしく聞こえます。もちろん海水温の変化は水産物の資源量に大きな影響を与えます。ところが米国でも同じように海水温上昇の影響があるはずなのに、日本のように減ってしまわないのはなぜでしょうか?

 海水温上昇の影響が誇張される中、なぜ25年はスルメイカやサンマの漁が上向いたり、九州の一部で冷凍庫に入らないくらいサバが獲れたのでしょうか? それぞれ理由があるのですが、海水温上昇と資源・漁獲量減少を結び付けるのは無理があることに気付いてください。


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