日本の漁業 こうすれば復活できる
海に囲まれた日本にとって重要な産業である漁業の危機が続いている。国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つである「海の豊かさを守ろう」を果たしながら、産業としてどう復活させていくのか。その処方箋を示していく。

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2025/04/07 真田康弘
太平洋で漁獲されるサバが近年不漁に喘いでいる。資源の減少が一つの要因で、北太平洋漁業委員会で、マサバ漁獲枠を一定程度削減する合意が成立したが、削減幅は十分と言うには程遠く、資源状態とは大きなギャップが存在している。
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2025/03/31 片野 歩
北太平洋漁業委員会(NPFC)が開催され、サンマの北太平洋全域での漁獲枠を2025年は現行から10%削減で合意した。資源回復へ向けた動きではあるが、資源管理としても、日本としても大きな問題をはらむ。解説していきたい。
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2025/03/13 真田康弘
卵が明太子の原料にもなるスケトウダラの資源状態が非常によくない。要因の一つが90年代以降の海洋環境変化により卵の生き残る確率が減少したことであるが、同様に強調しなければならないのが取り過ぎ、乱獲である。
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2025/02/28 片野 歩
マサバが獲れない状態が深刻化しています。水産庁が来シーズンの漁獲枠を8割減らすことも伝えられている。これは資源量の実態に合った漁獲枠でなかったことが、本質的な問題で、幼魚に至るまで過剰な漁獲が進み、激減してしまっている。
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2025/02/21 真田康弘
スルメイカが極端な不漁に喘いでいる。2023年漁期には1万5705トンと、最盛期に比べ97%以上減らし過去最低を記録。漁業法の改正、施行によって資源管理を進めているが、最近、水産庁がこれに逆行する決定を下した。
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2025/01/28 片野 歩
世界全体で水産物の生産量が増え続けているのに対し、日本では減っている。理由はTACの意味や効果が関係者に正しく理解されていないからだ。TACは設定されても実際の漁獲量より多く、資源管理に効果がないという事態が起きてしまっている。
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2024/12/27 片野 歩
年末を迎え、売り場にたくさん並ぶズワイガニのパックに貼られている「バルダイ種」との表示に気づいた人もいるのではないか。ズワイガニの一種なのだが、その表示には深い意味がある。また、日本でも今、たくさん獲れており、好機を生かす必要がある。
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2024/12/02 真田康弘
凋落の止まらない日本の漁業への「切り札」として6次産業化が試みられているが、業界内では「海業(うみぎょう)」と語られている。観光業などと一体的に盛り上げようとのことなのだが、実態はどうか。発祥の地である三崎の事例から見てみたい。
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2024/11/13 片野 歩
冬の味覚、日本海のズワイガニ漁が11月6日に解禁されました。資源管理が功を奏し、8年ぶりの高水準になっているとも言われていますが、本当に回復しているのでしょうか?大きくズワイガニの資源量を増加させているノルウェーと比較してみましょう。
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2024/10/07 片野 歩
日本では大型クロマグロの分類を30キロ以上とし、100キロもあれば大物と思われるが、ノルウェーで水揚げされたマグロは、小さくても168キロ、大きいものは396キロもある。なぜ、ここまで差があるのか。
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2024/08/28 真田康弘
太平洋クロマグロの資源管理を巡って協議する中西部太平洋まぐろ類委員会は、資源の回復から漁獲枠の拡大を決めた。「きちんと管理をすれば、魚は増える」という教訓を示してくれたと言えるが、残念ながら大きな課題が残っている。
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2024/08/22 片野 歩
2024年8月10日に漁が解禁され、今年もサンマの季節が来た。毎年のように大不漁が伝えられていたが、水揚げが増えていると報道されている。ただ、その値段は1尾18円の店もあれば、1尾7万円で落札する卸しもある。どういうことなのか、解説します。
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2024/07/23 片野 歩
土用の丑の日が近くなると、ウナギの話題が出てくるが、日本のウナギ・二ホンウナギは絶滅危惧種に指定されており、資源激減のため、価格の高騰が続いている。「完全養殖」の技術向上が伝えられているが、解決できるのか?その前にできることがある。
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2024/06/19 片野 歩
6月に解禁となった北海道南部のスルメイカ漁の初水揚げが函館であり、前年の6分の1のたった200キロでした。“記録的不漁”といった言葉が、漁業では、資源管理制度の不備で枕詞のように毎年繰り返されるようになってしまっています。
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2024/06/04 真田康弘
新しい捕鯨母船の出航に、大型であるナガスクジラの捕獲対象追加と、商業捕鯨に追い風が吹いているように見えるが、一概にそうではない。捕鯨関係者からは積みあがった在庫と融資を「時限爆弾」と懸念される。日本の商業捕鯨にあすはあるのか?
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2024/05/09 片野 歩
日本人が大好きな魚・サバ。そのサバ資源が危機に瀕しています。しかしながら不漁とはいえゼロにはならず、どこかでサバが水揚げされており、その実感は今一つないのかもしれません。知られていないサバ資源の話をしましょう。
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2024/04/30 真田康弘
不漁が続くサンマの資源管理について話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合で、サンマの漁獲枠について、1割を削減することで合意した。ただ、その内容を精査すると、効果には疑問が残り、「秋の風物詩」サンマの復活はまだ遠そうだ。
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2024/04/16 真田康弘
先日、東北地方有数の漁港で、漁船が泊まる岸壁に、クロマグロが悠然と泳いでいたのを見た。珍しい光景であるのだが、クロマグロが急速に増えているとの声は各地の漁業者からしばしば聞くようになっている。なぜか、ここに日本の漁業復活へのカギがありそう…
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2024/04/03 片野 歩
かつて瀬戸内海に春をつげていた風物詩イカナゴの不漁が全国で深刻化している。原因は海水温上昇であるとか、水がきれいになりすぎてプラントンが不足したからなどと報道されている。もちろんこれらが原因ではないとは言わないが、本当に主な原因なのか?
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2024/03/19 真田康弘
多くの漁業者が漁獲量と収入の減収に苦しむなか、漁業団体が強く要望し、拡大を続けていたのが減収補填プログラムである。漁業者が「資源管理計画」を策定するのがセットになっているのだが、それが形骸化しているとも言える事態となっている。
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