2025年12月5日(金)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2025年7月30日

 参議院選挙が終わりました。これまでの選挙との違いは、国民がSNSなどで調べて世の中で起こっていることにようやく気づき始めたことではないでしょうか?

 筆者は恥ずかしながら消費税とその使い道、国民の手取りのことなど、それまで関心がなかったために知らないことが多く、何が行われてどうなっているのかについて考えさせられました。もちろんすべて鵜呑みにしてはいけない内容もあるので、様々な視点から見ていくことが重要です。

魚の取扱量が減り続ける魚市場(筆者提供)

 「失われた30年」と言われますが、日本の国力は疲弊してしまっています。たまたま仕事で欧州・中国など海外を訪問するケースが多かったのですが、かつて経済力で圧倒的に強かった日本はその輝きを失ってしまいました。

 発信している水産資源管理の問題とその解決方法について、その本質は日本が抱えている問題と共通していることがあります。それは「事実や問題の本質」が社会に正しく伝わっていないということです。

魚市場に並ぶ魚も減っている

 長年にわたり全国の魚市場で魚の商売に携わっている方々にとって、共通していることがあるはずです。それは魚市場に並ぶ魚の量が減っているということではないでしょうか? もちろん日々の変動はあるものの、かつては発泡スチロールに入った多くの種類の魚が、何段にも重ねられているのが日常の光景だったはずです

 サバ・サンマ・スルメイカ・サケをはじめ旬になると水揚げがまとまり、大量にさばかれていく。そんな光景はほぼすべての魚種でかなり減ってしまいました。水揚げが減ると価格が上昇します。そして価格の上昇分は、形を変えて消費者に転嫁されていきます。

 筆者は長年にわたり冷凍水産物の買付と販売に携わりました。かつて地場で豊富に水揚げされていた水産物が減ると、加工原料や販売する水産物も減ります。そこに輸入水産物の需要が生まれました。


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