2025年12月14日(日)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2025年7月30日

魚は減っていない?

 下のグラフは、養殖を除く漁獲量の推移について、日本と世界全体を比較したものです。日本では魚の資源は確実にかつ大幅に減少し、その結果、漁獲量が減少し続けています。しかしながらこれまで「魚は減っていない」といった趣旨の報道を何度か見てきました。

 減っていないのであれば、魚が獲れるはずです。しかしながら、大不漁が多くの魚種で常態化しています。

 魚の需要が減ったので漁獲量が減ったという内容も誤りです。サンマなど供給が減って価格が高騰してサヨリのような細くて小さなサンマが高い価格で売られるようになっていますが、これは魚の需要が減ったから漁獲量が減ったわけではありません。また、お寿司などの需要が減って漁獲量が減ったのでしょうか? 魚さえ確保できれば、水産物の輸出需要は非常に高いことをご存じでしょうか?

 魚がいるはずなのに獲れないのであれば「神頼み」や「大漁祈願」をしてでも獲ろうとするのは当たり前です。一方で、漁業を成長産業にしている北米・北欧・オセアニアなどの国々では、科学的根拠を基に、漁獲量の規制や禁漁の実施などを判断しています。

 魚が減っている、もしくは減少に転じている場合は、いち早く予防的アプローチを採って漁獲量の規制を行います。例えば日本でおなじみのノルウェーでのシシャモ(カラフトシシャモ)量は、漁獲しようと思えば数10万トン獲れても、禁漁して将来に備える決定をしています。そして禁漁になっても、漁業者から資源の再調査の依頼などはあっても、反対などで騒いでいるのは聞いたことがありません。

 上の2つの表は日本と世界全体の漁獲量と生産量(漁業と養殖)を2010年と23年で比較したものです。ちなみに日本の30年までの漁獲量の目標は444万トンです。しかしながら改善どころか毎年減少が続いています。


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