2026年2月11日(水)

終わらない戦争・前編沖縄

2026年2月11日

どうして米軍基地は沖縄に集中し続けているのか。基地政策の専門家である大東文化大学教授の川名氏に聞いた。電子書籍『終わらない戦争 沖縄が問うこの国のかたち【特別版】』に掲載されている記事の内容を一部、限定公開いたします。
基地周辺に住む人にとって戦闘機の存在は「日常」の一つでもあり、同じ感覚で本土から語ることはそぐわない(THE MAINICHI NEWSPAPERS CO., LTD./)

Q1 米軍が沖縄に基地を持ち始めた経緯は。なぜ、住民が多く居住する地域に普天間基地があるのか。

川名 太平洋戦争末期の1945年3月下旬、米軍は沖縄を本土攻撃の拠点にすべく上陸を開始します。その際、非戦闘員である住民を収容所に送ります。そして、もぬけの殻となった集落に飛行場を建設します。そうしてできたのが普天間基地です。

 人々は戦争が終わって自宅に戻ろうとしますが、すでに更地で家はありません。よそに引っ越そうにも先祖代々の土地で、お墓もあります。沖縄では土地、家族、信仰は相互に連関し、簡単には切り離せません。

 また、一般論として、基地と人々の生活圏は競合します。基地も人も「平地」を好むからです。山に飛行場は建設しにくい。よく「基地の周りに人が集まってきた」という人がいます。世界の基地問題を見渡すと、そうした事象はいくつも確認されます。日本でも戦後の東京・立川や横浜には、基地の経済効果を期待する人がたくさん集まりました。しかし、沖縄は事情が異なります。

Q2 沖縄の米軍基地にいる「海兵隊」とはどのような役割を担う、どのような人たちなのか。

川名 海兵隊という組織はイメージが湧きにくく、誤解も少なくありません。朝鮮戦争の「仁川上陸作戦」を想起する人もいるでしょう。「殴り込み部隊」としての海兵隊の面目躍如、歴史の印象的な場面です。しかし、そのイメージはすでに過去のものになっています。

 海兵隊は変化する状況に応じて、カメレオンのように役割を変化させます。現在の彼らの姿は、特殊作戦軍(SOCOM)に近いです。小規模で柔軟かつステルス的に動きます。海兵隊は他の陸海空軍のように専門の「持ち場」がありません。陸海空あらゆる場所が彼らの仕事場です。良くいえばオールラウンダー、悪くいえば永遠の二番手でしょうか。そのため、予算状況次第では真っ先にリストラ候補に上がります。


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