2025年12月14日(日)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年11月28日

 韓国の李在明大統領は11月14日、米韓の関税・安保協議の結果を発表し、原子力潜水艦の建造で米国の支持を得たことを「非常に意味ある進展」と自慢げに評価した。これは単なる海軍力増強ではなく、核兵器の原料を生産できる体制が整ったことを意味する。また韓国はわずか3年で偵察衛星5機体制を整備し、戦時作戦統制権の返還に備えている。

韓国数十年来の悲願「原潜保有」

 17日ヘッドラインは、米韓の関税・安保協議の結果を盛り込んだ「ジョイント・ファクトシート(共同説明資料)」に関して、李在明大統領が14日に自ら説明したことを報じたもの。韓国の原子力潜水艦建造については、これまで本連載「韓国軍機関紙『国防日報』で追う」で何度も触れているが、この動きは韓国の安全保障戦略の重大な転機となった。

 李大統領はブリーフィングで、「米韓両国は大韓民国の数十年来の悲願であり、朝鮮半島の平和と安定のための必須戦略資産である原潜建造を推進することで意見が一致した」と述べ、「ウラン濃縮と使用済み核燃料再処理権限の拡大についても米国政府の支持を確保することに成功した」として、「非常に意味のある進展」と評した。

 現在のところ、韓国による原潜保有の衝撃が大きく、その点がクローズアップされている感が否めないが、重要なことは原潜建造が、ウラン濃縮と使用済み核燃料再処理権限の拡大とセットで語られている点だ。

 これは単なる戦力の増強ではない。2015年に改定された米韓原子力協定の枠組みを超えて、韓国が核兵器の原料を生産できるようになることを意味する。原潜保有の目的は、表向きは北朝鮮への抑止力強化だが、潜在的な核武装能力を獲得するという側面も否めない。


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