2025年12月9日(火)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年11月19日

 国防日報は、韓国海軍創設80周年と国防日報創刊61周年について大きく報じた。哨戒艇すらなく、わずか30人で発足した韓国海軍は、80年の歳月を経て、原子力潜水艦を建造するまでに成長した。また、軍の機関紙である国防日報は、当初の政治工作からYouTubeやInstagramなど複合コンテンツに変化した。韓国現代史と軍事の関係を5分間でおさらいする。

 哨戒艇すら保有してないかった海軍の発展史

 韓国海軍が2025年11月11日、創建80周年の節目を迎えた。12日のヘッドラインはそれを伝えたもの。李在明大統領は、ソウル市内で開かれた記念行事に「創設当時まともな戦闘艦一隻もなかった我が海軍は、今日イージス駆逐艦と3000トン級潜水艦、P-8海上哨戒機など先端戦力を基盤に大韓民国が海洋強国へと跳躍するのに大きく貢献している」と祝電を送った。

80周年を伝える韓国海軍のインスタグラムより 写真を拡大

 原子力潜水艦の建造・保有を目指すまでになった韓国海軍の物語は、1945年8月21日、解放直後の混乱期に始まる。

 独立運動家でドイツ商船の士官であった孫元一(KSS-2の1番艦に命名)が、ソウルに「海事隊」事務所を開設したのが萌芽だ。30人の隊員で発足したが財政的な裏付けがなく、食料や被服の調達さえままならなかったという。

 11月1日には米軍政庁との折衝を経て海岸警備隊の組織編成に漕ぎつけ、同月11日に70人の隊員とともに「海防兵団」を創設した。ここに韓国海軍の源流が生まれた。

 その後、日本海軍の警備府が置かれた鎮海に移り、48年の韓国政府樹立とともに韓国海軍として正式に発足した。興味深いのは、陸海空軍の中で最も早く創設されながら、日本海軍出身者の影響がほとんどなかった点だ。商船士官を中心とする民間人が主導したため、独自の道を歩むことになった。


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