2025年12月5日(金)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年11月12日

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に続いて、米国のピート・ヘグセス国防長官が韓国を訪問し、韓国の原子力潜水艦建造のみならず、水上艦など多分野での協力拡大など米政府全体での支援を示唆した。一方で、李在明大統領は2026年度予算案で「スマート強軍」の育成を掲げたが、このコンセプトの出自に微妙な問題がある。

戦略的計算が交錯する韓米軍事協力

 ヘグセス国防長官は11月3日から5日まで韓国を訪問し、第57回韓米安保協議会議(SCM)を主導した。トランプ政権と李在明政権の初の国防相会談となった今回の訪韓で、ヘグセス長官が成し遂げた最大の成果は、韓国への原子力推進潜水艦用核燃料供給についてトランプ大統領の承認を再確認したことだろう。

 3日午後、安圭伯国防部長官とヘグセス長官は板門店を訪れた。米韓の国防長官が共に訪問したのは8年ぶりのこと。

 韓米連合軍司令官と米インド太平洋司令官も同行し、北朝鮮を見渡せるオーレット観測所で作戦現況の報告を受けた。オーレットとは朝鮮戦争で名誉勲章を受勲(追叙)した陸軍1等兵で、観測所は共同警備地域に位置する。

 翌4日には国防部でSCM本会議が開催され、急変する安保環境への対応と未来志向的な国防発展方案の導出で合意した。ヘグセス長官は芳名録に「韓米同盟の力で成し遂げた72年の平和」とサインして、同盟の歴史的意義を強調した。

協力拡大で合意したヘグセス国防長官(左)と安圭伯国防部長官(dvids)

 今回の会談の核心は何より原子力潜水艦の問題だった。ヘグセス長官は「韓国は造船業で世界的能力を持つ」と評価し、原潜のみならず水上艦など多分野での協力拡大を約束しつつ、国務省、エネルギー省との緊密な協調も表明し、米政府全体での支援体制を示唆した。


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