2025年12月5日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年11月5日

 ニューヨーク・タイムズ紙のソウル支局長が10月11日付け同紙の解説記事で、10月10日に北朝鮮の軍事パレードで披露された戦略兵器や中露両国高官の参加等に言及した上で、これまでの対北朝鮮戦略見直しの必要性を示唆している。要旨は次の通り。

朝鮮労働党創建80周年記念式典にロシアのメドベージェフ前大統領(右)と、中国の李強首相(左)、ベトナム共産党のト・ラム書記長が参加した(ZUMA Press/アフロ)

 金正恩委員長は、朝鮮労働党創建80周年記念式典において大規模な軍事パレードを主催し、米国に対抗する中国とロシアのパートナーとして、自国の地政学的価値の高まりを誇示した。観覧台に招かれたのは、中国の李強首相、ロシアのメドベージェフ氏、そしてベトナム共産党書記長のト・ラム氏だった。

 このパレードは金正恩氏にとって、北朝鮮とロシアの軍事的結びつきの深化を強調する機会でもあった。ウクライナとの戦争でロシア側として戦った北朝鮮兵士らがこの軍事パレードに参加し、両国の国旗を掲げた。韓国当局者によると、北朝鮮はロシアに1万5000人の兵士と、大量の砲弾、ロケット弾、ミサイルを提供している。

 今回のパレードは、アメリカ主導の西側諸国には従わないとの意思を示すものだった。北朝鮮は 長年、軍事パレードを国内プロパガンダに利用してきた。金正恩氏の下で、パレードは頻度と規模が増しており、米国などの敵国に対する優位性を高めるための新兵器を誇示する場としても利用している。


新着記事

»もっと見る