2025年12月5日(金)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年10月1日

 国防日報のヘッドラインは李在明大統領に関する内容が続くが、これは軍を掌握する動きと連動しているとみられる。今週は、日本ではほとんど報じられなかった韓国海軍創建80周年記念観艦式と、北朝鮮に近い延坪島に駐屯する海兵隊にスポットを当てて、日韓関係や韓国の軍事文化を読み解いていきたい。

韓国の観艦式が日本で報じられないワケ

 韓国海軍は9月26日、創建80周年を記念した「2025大韓民国海軍観艦式」を釜山沖の海域で開催した。25日から27日まで付帯行事を含めて行われた観艦式は今回で6回目。スローガン「国民とともに強い海軍」は、李在明政権を強く意識したものだった。ヘッドラインではないが、国防日報は23日付紙面で詳細を伝えた。

(韓国国防部HPより)

 観閲官は安圭伯(アン・ギュベク)国防部長官で、姜東佶(カン・ドンギル)海軍参謀総長とともに戦車揚陸艦「天王峰(チョンワンボン)」から、艦艇約30隻、航空機約20機の受閲部隊を観閲した。観艦式は観閲部隊と受閲部隊がすれ違う形で航行する反航式で行われたようだ。観艦式の形態はいくつかあるが、反航式には高い操艦技術が求められる。

 観艦式には、最新型イージス駆逐艦「正祖大王(チョンジョデワン)」や韓国海軍最大を誇るヘリコプター揚陸艦「馬羅島(マラド)」のほか、韓国地質資源研究所の探査船「探海(タムヘ)3号」などが参加したが、日本ではほとんど報じられなかった。

 その理由は今回の観艦式が国際観艦式ではなく、日本の海上自衛隊の護衛艦を含む外国海軍艦艇が参加しなかったからに他ならない。韓国は1998年と2008年、18年の3回にわたり国際観艦式を行い、海自も18年を除いて参加している。文在寅政権下の18年には、韓国側が自衛艦旗(旭日旗のデザイン)を掲げないよう要請したことから、海自が参加をボイコットしたという経緯がある。


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