2025年12月5日(金)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年9月4日

 韓国の国防日報は、8月23日の日韓首脳会談と25日の米韓首脳会談の成果を大きく伝えた。李在明大統領の側近のコメントから、韓国が米韓を円滑に進めるために、日韓では波風を立てない戦略だったことが透けて見える。一方、李大統領はトランプ大統領に「スマート」と連発され、意気揚々だったという。際立つ個性の両首脳の初会談は、大方の予想を裏切り成功裡に終わったようだ。

李在明大統領を評価しつつもチクりと諫言

 8月25日のヘッドラインは、23日に東京で行われた日韓首脳会談の様子を伝えたもの。あわせて韓国国防研究院のチェン・ヘジン先任研究員の特別寄稿「『日韓関係の安定的な管理意思』国内外に公表は大きな意義」を掲載した。

 ヘッドラインの記事は、李在明大統領と石破茂首相が北朝鮮の核・ミサイルなどの多様な脅威に対応するために力を合わせ、特に北朝鮮の核問題解決のために対話と外交を通じた平和的なアプローチが必要という認識で意見が一致したことを報じた。また、両首脳が会談後に、17年ぶりとなる共同プレスリリースを採択したことも伝えた。あくまで事実ベースの報道だが、李大統領の実用主義外交を肯定的に評価した内容といえる。

 記事は衛星洛(ウィ・ソンラク)大統領室国家安保室長のコメントも伝えている。「今回の首脳会談は、日米韓の協力強化を実現したという意味がある」という言葉や、「日韓シャトル外交を早期に復活させ、我々が日本との関係を発展させることについて、米国も肯定的だろう」という展望だ。これらのコメントから、日韓首脳会談を米韓首脳会談の前哨戦と位置付け、本丸である米韓を円滑に進めるために、日韓で波風を立てなかったという戦略が透けて見える。


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