報道されていますが、マサバが獲れない状態が深刻化しています。水産庁が来シーズン(2025年7月~26年6月)の漁獲枠を8割減らすことも伝えられています。
筆者はこれまで、科学的データに基づいて何度も様々なWEB媒体で、「このままでは危険である」と指摘してきました。実際にいない魚をいると仮定して漁獲枠を設定してしまうと、結果的に幼魚まで一網打尽で獲り過ぎてしまいます。
世界では、国連食糧農業機関(FAO)に定められている「予防的アプローチ」に基づいて行動している国々の漁業が成長産業となっております。対照的に、現在の日本は予防どころか最後まで獲り尽くしてしまう傾向にあり、サバに限らず様々な魚が必然的に消えて行きます。そしてその理由が海水温上昇や外国漁船に責任転嫁される傾向が強くなっています。
筆者は北欧を主体に、長年国際的な水産業界と資源管理でつながっている唯一の日本人かも知れません。その視点からすると現在の資源管理制度は「異常」であり、獲り過ぎです。それを具体的に解説していきます。
改善のためには社会の理解と後押しが必要です。さもないと誤った処方箋で薬を飲み続ける状態が続き、後には水産資源ではなく負の遺産が残ってしまいます。