2025年12月13日(土)

Wedge REPORT

2025年12月5日

 Timeeなどのスポットワークの浸透で新たな働き方が広がっている。スポットワークとは、数時間や1日単位など短時間・単発で働く就業形態で、いわゆるスキマバイトとも呼ばれるものだ。

(MNStudio/gettyimages)

 これらの働き方では、アプリを介して企業と労働者のマッチングが行われるのだが、その手軽さ、自由度の高さから急速に利用者が増加している。第一生命経済研究所の推計によると、スポットワークに対して支払われた総賃金額は、2022年の373億円から24年の1216億円へと3倍強に上り、スポットワーク最大手のTimeeの登録ワーカー数は24年12月に1000万人を超え、25年7月末時点で1190万人となっている。

 こうしたスポットワークの浸透は日本の社会や経済に良いことなのか、悪いことなのか。本記事では、日本の労働市場にもたらす影響について考えてみたいと思う。

どのように働いているのか

 スポットワークとは実際にどのような仕組みなのだろうか。Timeeを例にみると、働き手の「働きたい時間」と雇用主の「働いてほしい時間」をアプリによってマッチングしている。Timeeは、マッチングが成立し、実際に働いた時間の報酬の30%を手数料として受け取っている。

 Timeeにとっては、マッチング件数を増加させることが重要な目的となる。Timeeは、スポットワーカーを雇用主に紹介する職業紹介事業者であり、雇用主がスポットワーカーを雇用するので日雇い派遣とは異なる。

 スポットワークのプラットフォーム事業者は、マッチングを増やすために、アプリの信頼度を高めることに注力し、ペナルティ制度や相互評価制度などを導入している。

 ペナルティ制度は、雇用主が勤務態度の良くないワーカーを見抜くために、ワーカーが求人を直前にキャンセルした場合にペナルティポイントを課しており、ポイント数が一定の数を超えると、新しい仕事への申し込みに制限を設けている。相互評価制度は、ワーカーと企業の双方が業務終了後にそれぞれに対して「good」と「bad」の評価をできる。これによって、ワーカーの働きぶりや良好な雇用環境を維持している。


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