2025年12月24日(水)

#財政危機と闘います

2025年12月24日

 「強い経済」「責任ある積極財政」を経済・財政運営の指針として掲げる高市早苗首相は、2025年11月21日に総合経済対策を閣議決定した。その資金的裏付けとなる25年度補正予算は、新型コロナ禍後では最大規模となっている。26年度予算は122兆円台とやはり過去最高額となるようだ。

(ロイター/アフロ)

 補正予算の一般会計の歳出総額は18兆3034億円で、生活の安全保障・物価高への対応に8兆9041億円、危機管理投資・成長投資による強い経済の実現に6兆4330億円、防衛力と外交力の強化に1兆6560億円、災害やクマ被害の拡大に備えるための予備費7098億円がそれぞれ計上された。

 補正予算の財源には、25年度の税収の上振れ分2兆8790億円、24年度の決算剰余金2兆7129億円などが充てられるが、それでも足りない11兆6960億円は新規国債発行で充てられる。なお、新規国債発行による財源調達は補正予算の歳出総額の63.9%となっている。

 25年度の税収見込みは80兆6980億円となり、税収が80兆円台に達するのは初めてで、6年連続で過去最高を更新する。当初予算の税収は77兆8190億円であった。

 このように、税収の上振れとは、当初の見積もりを上回ることを意味するものに過ぎず、税収は当初予算の一般会計歳出額115兆1978億円を大きく下回っており、依然として税収不足であることには変わりはない。税収の上振れは数字のマジックに過ぎないことに留意しなければならない。


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