「令和のコメ騒動」は日本農業政策の欠陥を明らかにした。農政の基本的理念を示す「食料・農業・農村基本法」(2024年改正)には食料安全保障の確保が謳われ、それは「良質な食料を安定的に国民が入手できる状況」と定義されている。米価が倍にもなるのは「安定的に国民が入手できる状況」ではないだろう。
米価の上昇は、基本的には長期の減反政策で供給基盤が弱体化しているところに異常気象でコメの生産が低下したことによるのだろう。ではどうしたら良いのか。
異常気象には高温障害に強い品種の開発などが必要だが、これには時間もかかる。まず必要なのは、生産基盤を確保することだ。
農家所得を維持するために米価を維持しようとする減反政策が農業の供給基盤を弱めたことは間違いない。農林水産省は減反政策を行っていないと言うが、生産を減少させるように補助金をばらまいているのだから、減反政策を続けていると理解すべきだろう。解決策の一つは、農家所得と農産物価格を切り離すことだ。
