高市早苗首相は、飲食料品にかかる消費税率を2027年4月から2年間、1%に引き下げる方針を正式に表明し、自民党の臨時役員会でも了承された。政府与党は、5日にもこの方針を閣議決定し、秋の臨時国会への関連法案提出に向けて制度化を進める見通しである。
高市政権が消費減税を政治日程に乗せたいま、焦点は減税の可否から、その後の制度設計へ移った。人口減少社会を前提に、消費税、給付付き税額控除、所得課税、資産課税、社会保険料、現物給付と現金給付の再設計まで含めて、税と社会保障制度全体をどう組み替えるかが問われている。
物価高の中で、家計が負担軽減を求めるのは当然である。日々の買い物の度に負担を感じる消費税は、生活不安と直結している。したがって、消費減税を求める声を、単なるポピュリズムとして退けるべきではない。
しかし、消費減税を一時的な家計支援で終わらせてしまえば、制度改革の機会は失われる。今回の減税を、消費税を社会保障目的税という狭い枠からいったん解放し、人口減少社会に合わせて負担と給付の全体を組み替える契機にすべきである。
