2026年5月27日(水)

Wedge OPINION

2026年5月27日

 物流の「2024年問題」から2年が経過した。

2030年度には運ぶべき荷物の約7〜25%が輸送できないことが懸念される。日本は物流を守れるのか?(GYRO/GETTYIMAGES)

 去る3月31日には、政府が物流政策の指針を示す新たな総合物流施策大綱(26~30年度)が閣議決定された。新しい総合物流施策大綱の見通しでは、30年度には輸送力が約7~25%不足するとしている。需要量が新型コロナウイルス感染拡大前の19年度ベースにまで回復した場合には、大きな需給ギャップが発生するが、需要が現状のペースで推移し、物流改革が進まなかった場合、10%程度不足するという想定である。

 この数字だけみると、影響は軽微と感じるかもしれないが、要請すれば物流サービスはいつでも提供してくれるというこれまでの姿は、今後望めないということを物語っている。そして最も問題なのは、30年度以降、急激にドライバー数が減少することである。24年度は88万人なのに対して、30年度は81.3万人で7.7%減にとどまるが、40年度には62.0万人で29.5%減、50年度には45.1万人で48.7%減と深刻化する。ドライバー不足による供給制約は、中長期的な問題ととらえることが欠かせない。

 物流においては、ドライバーの時間外労働に上限規制がなされた「2024年問題」に続き、26年問題、28年問題、30年問題があるともいわれている。なぜ2年おきに問題が起きるのか。これは物流に関連した法律改正や施行が立て続けにあり、企業が新たな対応を求められるからである(下図参照)。

 そうした対応策として、一般的には新技術の導入やDXなどが挙げられるが、残念ながら物流においてはそのような取り組みだけではなかなか解決できない根本的な構造問題がある。

 これまでの日本の物流は、低賃金、長時間労働によって成立してきたが、もはやそれは限界にきている。荷主企業内において、物流を重要視しない傾向もあり、社会全体における物流の位置づけが低いという根本的な問題を是正しなければ抜本的改革にはならないといえる。


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