税は社会を維持するために引き受ける負担
消費減税論が支持を集める背景には、生活者の切実な不安がある。その不安を軽視してはならない。だが、生活不安への対応として消費税率をその時々の政治的駆け引きで動かせば、税制は市民が信頼して支える共通の仕組みではなくなる。
今回の消費減税を、単なる負担軽減策で終わらせてはならない。消費税を社会保障目的税としてだけ語る時代を終え、市民が社会の土台を支えるための共通負担として再構築する契機にしなければならない。
税は、国家から一方的に課されるだけのものではない。市民が自らの社会を維持するために引き受ける共同の負担である。人口減少社会においては、その原点に立ち返り、税と社会保障を一体で組み替える必要がある。
消費減税を奇貨として、消費税を市民的共通負担へと位置づけ直すこと。それが、いま必要な税と社会保障改革である。
