2026年8月24日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年8月24日

 2026年8月5日付ウォールストリート・ジャーナルは「台湾は中国侵攻阻止の戦争計画を試す」との解説記事を掲げ、8月5日から始まった本年の漢光演習で、台湾はイラン・ウクライナ戦争を踏まえた各種新戦術を試していると述べている。

台湾で行われた年次軍事演習の一環として、街中で警備にあたった(ロイター/アフロ)

 台湾は、8月5日、年1回の軍事訓練を開始し、中国による侵攻を抑止する戦略を進めている。2万人の予備役を動員し、インターネット低速化、非対称戦ドローン訓練が見どころだ。

 この訓練は中国軍に対抗する新戦術を試す機会だ。クー国防長官は「我々の目的は長期戦闘能力の強化だ。我々の究極的目標は、中国の全面侵攻を確実に失敗させることだ」と語った。

 全土で演習が始まり、予備役は米国から供与された銃で戦闘訓練を行った。演習は中国が対台圧力を強める中で行われた。8月4日に中国は台湾周辺で21機の戦闘機と9隻の戦艦で、今年20回目の戦闘即応性確認の合同哨戒を実施した。

 本年の漢光演習は、中国の多角的戦闘行動に対抗するものだ。偽情報対策から上陸作戦対処までの幅広い活動を含む。戦略の成否は、台湾が中国との戦闘にどれだけの間耐えられるか、同盟国が駆け付けるまで、あるいは中国が諦めるまで生き残るかにかかっている。

 今回の演習は海軍と沿岸警備隊が船舶を護衛し台湾封鎖を突破する訓練を含む。中国軍は、台湾を包囲しシーレーンを遮断して重要物資へのアクセスを止める閉塞戦略を示してきた。

 インターネットも台湾の脆弱性だ。台湾は、台湾積体電路製造(TSMC)を含む半導体産業集積地等の地域でインターネットを低速化させる初の訓練を行う予定である。

 社会的強靭性に焦点を当てる本年の演習は、中国の最大の脅威はサイバー攻撃による経済戦だとの認識を示す。最近新設された沿岸域作戦司令部は本年の漢光演習に初参加し、対艦ミサイル、ドローン等で中国軍の台湾沿岸接近を阻止する能力を示す予定だ。


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