本年の予備役大規模招集では、台湾指導部の移送準備を含む首都圏防護用の旅団も動員される。台湾は、ウクライナの対ロ戦争に加え最近のイランによる防御兵器としてのドローン活用からも学んでいて、台湾の戦略は、中国の精密兵器を逸らし、台湾のミサイルが戦艦等の目標を攻撃する隙間を作るためのドローン使用を含む。演習は、分散型司令部を試し、兵員が通信遮断状況でも効果的に活動する訓練を含む。
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物心共に遅れる日本
本年末に日本で予定される戦略三文書見直しのプレビューのような内容で、興味深く読んだ。もちろん、日本と台湾が置かれた状況は異なるが、脅威度や紛争発生の蓋然性等本質的には大差はないので、日本の紛争対応準備は、物心共に遅れている。
第一は「民間防衛」の在り方だ。そもそも台湾には徴兵制度があり、18歳から34歳の男子は、04年以降、従来の4カ月の軍事訓練役から1年間の義務的兵役(常備兵現役)が課されることになった。兵役を終えた者の内「予備役」として登録されている者の数は160万人から230万人といわれ、正に今回の漢光演習ではその約1%の2万人が動員された。
「世界価値観調査」の22年の最新調査で、「国のために戦うか」という問いに「はい」と答えた者の割合は、日本は調査対象79カ国の中で群を抜いて最低で、13.2%に過ぎず(下から2位のリトアニアは32.8%。台湾は76.9%)、「いいえ」は 48.6%だ(最大はマカオの55%、台湾は23.1%)。これでは徴兵制などは覚束ないが、人口減少により自衛隊の定員を充足できないのが大きな課題である中で、何らかの対策を考えなくてよいのか。
民間防衛との関係でのもう一つの課題は、クリティカル・インフラ防衛意識である。漢光演習では、TSMCがある台湾のシリコンバレー新竹も含む地域で、中国によるサイバー攻撃(または海底ケーブルの切断)を想定したインターネット低速化への対応を訓練するようだ。
日本でも「経済安全保障」が語られるようになったが、サプライチェーン強靭化の「物」の調達確保のみならず、国内での円滑な経済活動維持のための方策についても一層議論する必要があるのではないか。そもそも、日本では「国民保護法制」がある一方で、一般国民を巻き込んだ危機管理訓練はいまだ行われておらず、シェルターの整備も進んでいない。シェルター整備などは、正に、民間主導で行うべき話ではないか(平時はコンサート会場だが、有事には避難施設にする整備等)。
