スマート精鋭強軍のスローガンを掲げてAI化を推進する韓国軍は、情報保全規則の枠外におかれたAI教育・研究センターを30カ所に拡大する方針を示した。冷房が効いた快適空間で勤務する将兵がいる一方で、猛暑の中で警戒・捜索任務や訓練に従事する者の多い。韓国軍は「温度指数」を設けて、客観的基準で猛暑対策を進めている。
部隊レベルでも進む韓国軍のAI教育
国防部は7月13日、軍の「AI教育・研究センター」を年末までに5カ所追加し、計30カ所に拡充すると明らかにした。同センターは新設ではなく、すでに全国25の部隊で運用されている既存施設で、今回はその積み増しになる。
事業の起点は2022年に遡る。科学技術情報通信部と国防部が「国防分野SW・AI力量強化事業」を立ち上げ、同年5月には将校・下士官向けの軍事AI専門教育を担う「国防人工知能教育大学」が成均館大の板橋スタートアップキャンパスに開院した。実務は情報通信企画評価院(IITP)が受け持つ。
AI教育・研究センターは、この事業のうち部隊に置かれる実習施設にあたる。毎年およそ19億ウォン(約2億円)の予算を投じ、昨年末までに全国25の部隊へ整備された。
センターの特徴は、軍の施設内にありながら情報保全規制の外に置かれている点にある。部隊で将兵が使えるのは閉鎖された国防網と、接続が制限された軍インターネット網だけで、生成AIやクラウドには接続できない。しかし、センターは外部から遮断された隔離環境、いわばサンドボックスとして商用インターネットにつながり、高性能ノートパソコンとGPU(画像処理装置)サーバーも備える。
ソフトウェア・AI中心大学との「学・軍教育協力体系」により、大学の教員や研究員とともに軍務へ接ぎ木できるAIの所要を掘り起こし、実証研究(PoC)まで進める。
センター拡充後は、上述の軍事AI専門教育と、全将兵を対象とする「任務対応型AI教育」を並行させる。オンライン教育基盤にはAIチューターシステムなどの導入も進め、年5万人以上の受講を見込む。

