2026年10月5日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月5日

 トランプ大統領の貿易戦争の標的にされてきたカナダだが、カナダが採るべき最良の方法は国内経済を強化し、同盟相手を多様化して対米依存を減らすことだと2026年9月18日付フィナンシャル・タイムズ が論じている。

(wildpixel/gettyimages)

 トランプがホワイトハウスに返り咲いて以来、カナダほどトランプの集中砲火を浴びてきた国はない。トランプは不公正な取引慣行から山火事への不十分な対応まで様々な理由を挙げてカナダに多くの関税を課してきた。

 またカナダを米国の51番目の州と呼び、最近ではオンタリオ湖をアメリカ湖と改名する等、カナダの主権も軽視している。経済規模が米国の13分の1で商品輸出の約70%を米国に頼るカナダはとりわけトランプの好戦性にさらされている。

 しかしこれまでのところカーニー首相は不利な条件下でかなり上手くやってきた。トランプ関税に対しては対決姿勢を打ち出し、米国製品の不買運動や自国製品の購入を推進してきた。

 トランプがカナダの貿易主権の制約を含む要求リストを示すと、米国との貿易交渉を停止した。トランプが200億ドルの追加関税で対応すると、カナダは「戦争状態にある」と宣言し、11月に中間選挙を控えたトランプ大統領に圧力をかけるべく的を絞った相応の措置で報復した。

 とは言え、カーニーもカナダが米国とは手を切れないことはわかっている。両国のサプライチェーンは密接に絡み合っており、製品完成までに部品が国境を何度も行き来することも多い。カーニーは賢明にも国内経済の強化と米国に代わる貿易や安全保障のパートナーの模索という2つの方法で対米依存の軽減に努めてきた。

 25年3月、カーニーは国内貿易障壁を取り除く計画を発表した。また、カナダのインフラ・プロジェクトに向けて1兆ドルの資金を集めるべく投資サミットを開催し、事業投資を促すための大型減税措置も発表した。

 カナダの対外関係の拡大については、カーニーは、フォン・デア・ライエン欧州委員長から欧州連合(EU)準加盟への支持を得た。また、カナダ産石油を西海岸まで運ぶ新たなパイプラインの建設計画を発表した。


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