2026年10月5日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月5日

 カナダ国民は米国に対する報復的貿易措置を支持しているが、経済的打撃が拡大すれば支持はしぼむ可能性がある。それにカナダ経済は成長力が弱い。

 またトランプはカーニーのEUや中国への外交的働きかけを前に報復の応酬をするかもしれない。さらにカーニーに対しては、成長戦略の実行を迫る圧力が増すだろうし、貿易相手の多様化も成果を生むまでには時間がかかる。

 カーニーがチャンスを生かしたことは称賛する。彼の主導によってカナダについて世界の注目は貿易戦争よりも同国の豊かな資源と潜在的経済力に集まっている。今や課題は彼の当初の取り組みを永続的な経済的利益につなげることだ。

 29年にホワイトハウスの主がより組みやすい人物になれば良いが、カナダにとってより大きな勝利は、その繁栄がワシントンで起きることにあまり左右されない経済を築くことだろう。

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日本も重視すべきカナダの資源と経済力

 この フィナンシャル・タイムズの社説の主張していることに賛成である。

 カナダのカーニー首相は米国のトランプ大統領の理不尽な言説に果敢に抵抗し、筋を通した対応をするとともに、カナダの国内経済を強くする措置を講じ、かつEUの準加盟国になることについてのEU側の支持を取り付けるなどうまく対応していると思われる。

 米加の経済的結びつきはミシガン州などでは切っても切れない緊密さであり、対カナダ経済関係をトランプが言うように切れば、米国西部の経済にも大きな悪影響が出るのは確実であり、それは11月3日の中間選挙で共和党を不利にすると考えて間違いはない。トランプも結局はそれを避けるために、あまりにも強引なことはできないのではないかと思われる。

 この社説は、カーニーの主導で世界は米加間の貿易戦争よりもカナダの豊かな資源と潜在的経済力に注目しているとしているが、この指摘はあたっている。EUがカナダを準加盟国にしてもいいというのは、その証左でもある。

 日本もカナダの資源と経済的潜在力に注意を払い、対カナダ関係を重視していくことが長期的な日本の国益に資すると考えられる。

 米国のカナダ政策は、トランプ後においてトランプ以前の状態に戻る可能性は高い。対カナダ重視はこれまでの日カナダ関係に鑑みても、EUと歩調を合わせつつ、継続していくべきであろう。

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