トランプ政権2期目への事実上の審判となる米国の中間選挙の投票が締め切られ、開票作業が進められている。連邦議会上院、下院ともに民主党が勢いを見せ、過半数を取り返す見通し。
第二次トランプ政権はどのような審判を下されたのか? どのような〝対策〟を講じていたのか?
選挙に向けた政策や動きは、選挙後にも影響を及ぼし得る。選挙戦を伝えた論考からトランプ政治を振り返る。
<目次>
・変わるMAGA派…中間選挙へ分断されたトランプ岩盤支持層、この動きはどこに向かっていくのか(2026/10/29)
・区割りが裏目に出る共和党…中間選挙の予測はより困難に、トランプが覆したこと(2026/10/30)
・<明治大学・海野教授が行く>米中間選挙の最新情勢、テキサス州の現地調査で改めて確認できた「戸別訪問の力」(2026/10/30)
・米共和党の中間選挙敗北でもトランプ政治は変わらない可能性…世界にとって重要な「2027」年に何が起きるのか(2026/10/22)
・アメリカのロシア産ディーゼル油輸入は物価を下げない…繰り返されるトランプの悪手、残ったものとは(2026/10/21)
変わるMAGA派…中間選挙へ分断されたトランプ岩盤支持層、この動きはどこに向かっていくのか
中間選挙を前にして、トランプの岩盤支持層と言われるMAGAを大きく分断する動きが進行している。一つ目は、MAGAそのものに幻滅しMAGAから離れる動きであり、もう一つは、MAGAの理念は信奉しつつもトランプを拒絶する動きである。
そもそもMAGA派と呼ばれる人たちは、トランプのどのような主張に惹かれて結集したのかを振り返ってみたい。
第一が、アメリカ第一主義である。これ以上、海外での不毛な戦争で税金も血も流さないという主張は、イラクやアフガニスタンへの介入の意味を見出せない多くの米国人の心に響いた。
第二が、労働者の復権である。海外への工場の移転で、職や誇りを失ったラストベルトに代表される地方の白人労働者に、製造業を中心とした米国内の労働者階級の経済的復活を約束した。国内の産業を復活させ、「古き良き時代」を復活させるという、まさに「アメリカを再び偉大にする」というのである……
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区割りが裏目に出る共和党…中間選挙の予測はより困難に、トランプが覆したこと
米国の中間選挙まで一週間を切った。中間選挙に関して、「政権党が議席を減らす」という法則があることは知られているだろう。トランプ大統領に対する支持率が歴史的な低さを示していることを考えれば、この法則は今回も当てはまると思われる。
そして、もう一つ重要な法則は、「現職の議員の再選率が9割を優に超える」ことだ。議会に対する支持率は長きにわたって20%以下で(現時点では16%)、国民は議会の在り方を変えてほしいと願い続けている。だが、選挙をすると現職候補の大半が再選を果たすのである。
このことを考えるならば、選挙結果を予測する上で重要になるのは、現職候補が出馬していない選挙区の動向ということになる。今回の選挙がややこしいのは、その数が70以上と例外的に大きいことである。その背景には、トランプ大統領がもくろんだ選挙区再区割りの動きがある……
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<明治大学・海野教授が行く>米中間選挙の最新情勢、テキサス州の現地調査で改めて確認できた「戸別訪問の力」
9月に続いて10月にも、2026年米中間選挙の注目州である南部テキサス州の州都オースティンの民主党フィールドオフィス(戸別訪問や有権者登録などの運動を行う現地事務所)に入り、現地スタッフの戸別訪問を観察しながら現地調査を実施した。
中間選挙まで5日(執筆時点)となり、各種メディアは主として投票結果を予想し、全体像を見る傾向があるが、筆者はこの時期においても戸別訪問にこだわってきた。民主主義の根底にあるのは草の根運動であると考えるからだ。現地で有権者の家を訪問し、彼らの生の声を聞くたびに、皮膚感覚で理解し、自分の目で確かめることの重要性を強く感じてきた。
「戸別訪問の力」に気づかされたある会話の一言が、今でも研究を支えている。それは、2012年米大統領選挙のテレビ討論会であった。場所はニューヨーク州の郊外、討論者はバラク・オバマ大統領とミット・ロムニー元知事(共に当時)であった。その会場で、保守系の米FOXニュースの記者と軽い会話を取り交わしているときに、彼は日本の選挙について質問をしてきた……
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米共和党の中間選挙敗北でもトランプ政治は変わらない可能性…世界にとって重要な「2027」年に何が起きるのか
フィナンシャル・タイムズ紙は「共和党の中間選挙敗北は『地殻変動』ではない」とする、同紙米国担当者エドワード・ルースの論説記事を9月29日付けで掲載、米中間選挙の結果とその影響を分析している。概要は次の通り。
米国政治は、「巨大なうねり」の中にある。我々は皆、中間選挙による大きな変化を経験したことがあるが、今回特別なのは、予想される共和党敗北の意味につき統一的見解がないことだ。
今日の状況は、トランプ第1期政権の際を含む典型的な中間選挙と大きく異なる。ねじれ議会への転換は、過去は大統領の裁量の半減を意味した。1994年以降のクリントン、06年以降のGWブッシュ、10年以降のオバマの全ての大統領は、対立党との妥協を模索した。例外は18年のトランプで、彼は「自分の名前は投票用紙になかった」と嘯き、民主党に全く配慮しなかった。
トランプに対する「訴追・法廷闘争」はそこから始まった。トランプは議会をロシア議会のように扱っているが、幾人かの共和党員は民主党員と協力しトランプを止めてきた。過度に厳しい選挙人登録を選挙民に強いる法律が典型例だ……
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アメリカのロシア産ディーゼル油輸入は物価を下げない…繰り返されるトランプの悪手、残ったものとは
米国の同盟国は欧州であり、欧州が支援するウクライナと理解されていたが、トランプ大統領は同盟国をロシアと考えているようだ。
11月3日の中間選挙を控え、トランプ大統領は米国内のディーゼル油の価格を引き下げることに執着している。10月17日の全国平均のディーゼル油価格は1ガロン当たり6.33ドル。今年1月の3.523ドルから80%上昇した。
カリフォルニア州の10月17日のディーゼル油価格は、1ガロン当たり9ドルになっている地域があるほどだ。1リットル当たり円換算で375円になる。
有権者の最大の関心事は物価上昇だ。その原因となるディーゼル油の価格引き下げは低迷する支持率引き上げには必須事項だ。
10月14日に公表されたエコノミスト誌/ユーガブによる世論調査では、支持率から不支持率を引いた数字はマイナス23となり、低迷が続いている。トランプ大統領への不支持運動も活発だ……
