2026年10月22日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月22日

 フィナンシャル・タイムズ紙は「共和党の中間選挙敗北は『地殻変動』ではない」とする、同紙米国担当者エドワード・ルースの論説記事を9月29日付けで掲載、米中間選挙の結果とその影響を分析している。概要は次の通り。

(hermosawave/gettyimages・ロイター/アフロ)

 米国政治は、「巨大なうねり」の中にある。我々は皆、中間選挙による大きな変化を経験したことがあるが、今回特別なのは、予想される共和党敗北の意味につき統一的見解がないことだ。

 今日の状況は、トランプ第1期政権の際を含む典型的な中間選挙と大きく異なる。ねじれ議会への転換は、過去は大統領の裁量の半減を意味した。1994年以降のクリントン、06年以降のGWブッシュ、10年以降のオバマの全ての大統領は、対立党との妥協を模索した。例外は18年のトランプで、彼は「自分の名前は投票用紙になかった」と嘯き、民主党に全く配慮しなかった。

 トランプに対する「訴追・法廷闘争」はそこから始まった。トランプは議会をロシア議会のように扱っているが、幾人かの共和党員は民主党員と協力しトランプを止めてきた。過度に厳しい選挙人登録を選挙民に強いる法律が典型例だ。

 しかし、過去20カ月、議会はほとんど無意味だった。ありそうもないことだが、民主党が団結しワンボイスで話すようになっても、トランプ政権の継続を止めることはできない。

 トランプ大統領の最も劇的な行動(経済政策や戦争の選択)は、議会を迂回して行われており、民主党は手詰まりだ。トランプの行動を止める法案は全て大統領拒否権に会う。弾劾事案に上院の3分の2が賛成すると考えるのは非現実的だ。

 民主党が法律になりそうもない政策にコミットしていないのは賢明だ。しかし、世論は強力、かつ徹底的に反トランプに変貌した。

 トランプ大統領への支持と不支持の差は、18年に共和党が大敗を喫した時の倍だ。それは、ウォーターゲート事件の際のニクソン大統領を除く、過去のどの大統領よりも悪い。

 トランプの支持基盤も縮小している。トランプを強く支持するのは国民の5人に一人で、7人に一人という調査もある。

 ただ、トランプはそれを気にしない。それは、選挙で共和党が勝利したら成人の米国民全員に5000ドルを配布するという公約から明らかだ。

 選挙は、有権者が自らの代表を選ぶものだ。トランプのやり方は、結果報酬である。

 彼の「壮絶な怒り作戦」への対応も、常識破りだ。トランプは、イランは中間選挙後でないと交渉のテーブルに戻ってこないと言う。ほとんどの大統領は選挙前に戦争を終わらせるべく動く。停戦交渉での彼の交渉ポジションが選挙後に強まることはない。


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