おそらくトランプは、ホルムズ海峡開放のために必要な譲歩を選挙前に見せたくないのだろう。戦略的敗北は彼の支持基盤には不人気だ。
トランプが気にしているのは何か。彼は、自分と家族、自分のカネを法律から守りたいが、中でもカネのことをより気にしている。
その双方にとって、完全な忠誠心が鍵となる。シリコンバレーの最古参の支持者は、「トランプは、賢くはないが忠誠心の強い人々に支えられている」と述べた。
ほとんどの支持者は議会の精査を乗り切るだろう。そうでなければ恩赦を求めればよい。24年に起こった支持層の変化は既に元に戻っており、若者と非白人の有権者の多くは引いている。
選挙後の最も興味深い政治的動きは、議会からではなく政権内部から出て来るだろう。トランプと取り巻きは、何も変わっていないように振舞うが、バンスやルビオ等、彼を継ぎたい人々は、トランプと自分の野望との間で難しい選択を迫られる。
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トランプ外交が先鋭化する危険性
まず、中間選挙の影響について何点か。中間選挙の影響は、ルースが言うほどには想定内に留まらないように思われる。換言すれば、トランプは中間選挙の敗北後、外交においてより先鋭化するのではないだろうか。
なぜなら、トランプにとっては自らが大統領(皇帝)である残された時間は後2年しかないのであり、彼にとって何より大事なのは、自尊心を満たすことである。さらに言えば、上院で実際の弾劾まで至ることはないとしても、共和党が多数を失った下院から次から次へと弾劾案件が上院に送られるので、それを上回る注目をメディアから得るためには、今より過激な対応を対外関係で取るしかない。
諸外国、特に同盟国は、これに充分注意し、準備しておく必要があるだろう。内政では、ポスト・トランプを選ぶ大統領選挙を28年に控えており、ここで大統領を民主党に渡すわけにはいかないので、余り無理はできない。
対外関係におけるトランプの先鋭化は、我々にとって大変に難しい状況を惹起する。なぜなら、来年27年は、中国の共産党大会以外に世界に影響を与える事態は想定されない一方(フランスの大統領選などは、世界的影響に鑑みれば取るに足らない)、再来年28年は、大嵐が吹く可能性があり、比較的落ち着いた27年はそれに備える大変に重要な年になるからである。
大嵐の第一は「台湾有事発生の可能性」である。習近平の指示に基づき、人民解放軍は27年一杯で台湾再統一を成し得る「能力」を整えたはずである。
