ロシアからの侵攻に対し、ウクライナは当初から無人兵器(ドローン)を活用した。それは軍用、市販など様々な機器におよび、偵察や爆撃、海上攻撃と幅広い用途で活用している。無人兵器は補助的な装備から今や戦闘を支える主要な兵器の一つへと発展した。
こうした無人機の活用を強い危機感を抱いて研究してきたのが台湾だ。台湾も軍事力で大きく優る中国と対峙しており、ロシア軍の全面侵攻直後、「今日のウクライナは明日の台湾」という言葉が広がった。
台湾国防省によれば、統合作戦を担当する参謀部門が2年以上にわたってウクライナ戦争での無人兵器の運用を研究。米国など友好国と共同で評価を行い、無人システム全体の整備プランを策定した。
頼清徳総統も9月、2025年4月に設立された「陸軍無人系統訓練指揮部」を視察し、ウクライナ戦争や中東の紛争で「科学技術が戦場を急速に変えている」と指摘。世界の戦場の最新経験を吸収し、台湾の防衛に適した無人システムへ転換する必要があると述べた。
無人機20万機余り調達へ
台湾行政院(内閣)は8月、関連産業の育成も対象にした無人兵器に、2026~31年で総額2400億台湾元を予算計上した。3種類の無人兵器を調達対象としている。
国防省によると、長期的には沿岸監視型無人機1446機、沿岸攻撃型無人機20万8200機、小型自爆型無人艇1320隻。ウクライナ戦争における無人兵器の運用を研究し、調達方針に反映したという。
沿岸監視型無人機は中国軍船団が台湾海峡を渡って上陸するまでの間、偵察、通信中継、目標捕捉、火力誘導を担当する。
沿岸攻撃型無人機は既存兵器と連携し、中国軍の艦艇、上陸用舟艇、上陸部隊、通信施設、指揮所などを攻撃する。比較的小型で低コストな機体を大量投入し、戦闘による消耗を前提に運用する。そのため、調達数は20万機余りと桁違いに多い。
