2026年10月16日(金)

世界の記述

2026年10月16日

 小型自爆型無人艇は、台湾侵攻を図る中国軍の主力上陸船団や後方支援船を奇襲する。多数の無人艇で相手の防御戦力を分散させながら撃破することを想定している。

 3種類の無人兵器を既存の有人兵器と組み合わせ、台湾海峡の海上から台湾の海岸まで多層的な攻撃網を構築する。

水中でも無人化、有人潜水艦巡り議論も

 無人化は水中も対象だ。国の兵器開発機関、国家中山科学研究院(中科院)は米防衛企業アンドゥリル・インダストリーズ(Anduril Industries)から大型自律型水中無人機「DIVE-LD」を購入した。正式受領に先立ち、同型機で訓練し、台湾独自の水中無人機開発に技術を生かす考えだ。

 台湾には既に国産水中無人機の研究蓄積もある。中科院は全長約30メートル、100トン級の大型水中無人機を試作し、自律制御、通信、耐圧構造、燃料電池、リチウムイオン電池、電動推進などの技術を研究してきた。

 一方、台湾は国産潜水艦の1番艦「海鯤」の建造・試験にも取り組んでいる。水中無人機の急速な発達を受け、多額の資金を投じて有人潜水艦を建造し続ける必要があるのかとの意見も出始めた。

 米国の台湾安全保障研究グループの専門家2人は4月24日付の英字紙Taipei Timesへの寄稿で、「海鯤」を研究・試験・訓練用の試作艦として残す一方、後続7隻の建造を中止し、資金を大量配備が可能な移動式・分散型の非対称戦力へ振り向けるべきだと主張した。

 一方、淡江大学の林穎佑副教授は、水中無人機には独自の用途があるものの、現段階では有人潜水艦を代替できないと指摘する。長距離を航行して秘匿性を保ちながら作戦を継続する能力など、有人潜水艦にしか担えない任務が残るためだ。

大量調達、産業基盤や性能に課題も

 大量の無人兵器を短期間で戦力化できるかには課題もある。台湾企業は無人機産業への参入を加速しているが、生産規模やコストに加え、一部の重要部品では中国の供給網への依存が残っているとの指摘がある。中国製部品に頼らない供給網を構築しながら、20万機を超える規模の生産能力を確保する必要がある。

 装備の性能を巡る問題も表面化している。台湾陸軍が調達を進めていた陣地固定式の対無人機システムでは、受注企業の装備が納入時の検査と2回の再検査の計3回にわたって基準を満たさず、国防省が契約解除の手続きを進める事態となった。

 行政監察機関の監察院も既存の対無人機システムについて、性能や配置、部隊の運用能力、維持管理などに問題があると指摘している。


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