2026年6月20日(土)

食の「危険」情報の真実

2026年6月20日

 酒は百薬の長――古くから飲酒の免罪符のように使われてきたこの言葉が今春、国税庁のホームページから消えた。国立がん研究センターも飲酒リスクへの警告を一段と強めている。

(mapo/gettyimages)

 それでもまだ、「適量なら問題ない」と思っている人は少なくない。その根拠とされるのが、非飲酒者や大量飲酒者に比べ少量飲酒者の方が心血管疾患リスクは低いとされた観察研究の報告だ。実際のところ、飲酒にメリットはあるのかないのか。

がん予防 「節酒」から「控える」へ

 「『酒は百薬の長』という言葉もあるように、昔から適度な飲酒は心身によい影響を与えることが広く知られています。飲酒は、精神のストレスを和らげ、血行を促進し食欲を増進するなど健康を守るうえで、一定の効果を生むものと考えられます」

 国税庁HPの「お酒に関する情報」に記載されていた内容だ。アルコールのメリットを説くこの記載が3月、削除された。理由について同庁は「情報が古く、現状とは違う内容も含まれていたので見直した」とし、特段大きな意味はないと説明する。

 ただ、削除の動きに先立ち、内閣府食品安全委員会の食品安全モニターからこの記載に訂正要求が突きつけられていた。「現在の科学的知見ではアルコールに適量が存在するわけではない」として内容の見直しを求めるもので、削除のきっかけの一つとなったのは間違いない。

 国立がん研究センターも、がんの予防法をまとめた冊子「科学的根拠に基づくがん予防法5+1」で、これまで推奨していた「節酒」の表記を、最新版で「飲酒を控える」と見直した。飲酒は量が多いほど、大腸がんや乳がんなどのリスクが上がり、がん予防の観点からは「安全な飲酒量は存在しない」と評価したことによる。


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