2026年10月13日(火)

Wedge REPORT

2026年10月13日

 日本に、はげ山が増えつつある。実際にGooglemapなどで衛星写真を見ると、各地に巨大な伐採跡地が広がっている。加えて多発する山火事や水害による山崩れ跡地、メガソーラーや風力発電用の風車建設など開発が進んで、土が剥き出しになった土地が少なくないこともわかるだろう。「日本の森は飽和状態」という割には、傷ついた山肌が多く目に映る。

 だから木を植えよう、森をつくろうという声は根強い。筆者も賛成だ。森をつくることは防災にも生物多様性や炭素固定の観点からも重要だ。

明治神宮大鳥居近辺の森(筆者撮影)

 しかし、森づくりは簡単ではない。森とは樹木だけでなく、草はもちろん土中の菌類、微生物が織りなす生態系だ。地形や地質、気象に合わないと想定通りの森にはならない。

 そこで、今回は「森づくりと生態系」について考えてみたい。

行き詰る木材生産地としての森づくり

 林業ではスギやヒノキ、カラマツなどの人工林づくりがある。これは、目的が木材生産であり、経済性を考えた森づくりだ。もちろん結果的に水害防止や二酸化炭素吸収などの効果もあるから、裸山に比べたら価値は大きいが、天然林とは違う。

 こちらの森づくりは、比較的技術の蓄積が進んでいる。苗の育て方、植え方、その後の生長に合わせた世話の仕方まで長い時間をかけて研究と実践が行われてきた。すでに二度三度と伐採-造林を繰り返してきた林業地も少なくない。

 しかし、同一樹種同一樹齢の森を維持するためには、常に人の手入れを必要とする。苗を植えてから成林するまで、下草刈りや除伐・間伐、あるいは枝打ちなど世話を必要とする。

 さらに近年は、ノウサギ、シカやカモシカ、クマなどの害獣から守る策も講じないと植えた木々は健全に育ちにくい。また同樹種ゆえ病害虫が発生すると全体に広がりやすいし、強風などに弱いという指摘もある。何より経費と手間がかかる。

 近年は、木材価格の低迷が続き、経費をかけて森づくりをしても利益が出にくくなった。補助金も多数投入されるが、成果は出ず、結局儲からないと放置されがちだ。


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