「若い頃によく通った美味しい店がなくなってしまった」
筆者が先日、ある県の農村部を車で通っている時に、同乗していた元県職員がつぶやいた言葉だ。
最近、日本の農村を歩くと、目に入るのは休耕地ばかりではない。空き家が増え、かつて賑わっていたであろう飲食店や商店が、看板を下ろしたまま廃墟のように取り残されている光景に、あちこちで出くわす。
農村部で高齢化が急速に進み、農業をする人だけでなく、そこに住む人そのものがいなくなりつつあることに衝撃を受けることが多くなった。
同じような現象は、全国各地で起きているように感じる。東京など都市部であれば、空き地があっても、駐車場になり、そのうち新しい家が建つという光景を見ているので、実感しづらい。しかし地方、とりわけ過疎の進んだ農村部に足を運ぶと、休耕地や空き地、空き家は確実に増えている。そのことは農業だけでなく、地方経済の危機を暗示しているとも言えそうだ。
