ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、ウクライナ都市部はロシアによる大規模なインフラ施設を狙った攻撃にさらされている。この攻撃を受けてウクライナでは大規模な停電が断続的に繰り返される。
冬のウクライナでの大規模停電は、寒さだけでない人々へ大きなストレスを与える。大規模停電下のキーウでの生活を通じて、戦時下のウクライナの厳しさをお伝えしたい。
〝日常〟ともなった爆発音と停電
大規模攻撃が起こった2024年11月17日、筆者は所用で早朝にキーウの中央駅に行っていた。ちょうど駅前に到着した時、連続で激しい爆発音がした。近かったので爆発音というよりも、破裂音のように聞こえた。一瞬で数度頭を強く叩かれた感じだ。思わず身を固くした。
その時、周囲の人々が全く動揺を見せずに、黙々と駅に向かい続ける姿に驚いた。どれだけの攻撃に耐えてきたのかを見せられた気持ちになった。その場の空気に飲まれ、筆者も落ち着いて駅に向った。
翌日、11月18日以降、ウクライナでは大規模な計画停電が行われることになった。ロシアは繰り返し大規模な攻撃を続けている。このため、計画停電は延長を繰り返し、いつまで続くのか分からない。
市民は停電するたびに、ロシアが攻撃してくることに怒りを感じ、自分たちの生活は危機にあることを否応なく自覚させられる。ただ電気がない、という不便さだけではなく、生活や生死に関する大きなプレッシャーを感じている。
そしてこれがまさにロシアが狙っていることでもある。インフラ施設への攻撃の目的のひとつは人々の気持ちを砕くことだというのは、再三指摘されていることだ。
キーウでは12月まで、分散的な計画停電が実施されていた。計画表は公開されており、市民は計画表を確認しながら生活している。基本的には朝6時から、夜10時までの間で大体3時間ずつ、毎日2回実施されている。短縮されることもあれば、長引くこともある。
計画停電は12月中に解除されたものの、予断を許さない状況が続いている。電力会社からは「電力事情は極めて不安定な状況が続いている。いつ計画停電になるか分からないので、 各自計画表を確認してください。開始する場合はすぐに通達します」といったメッセージが通話アプリなどを通じて出されている。