2026年4月13日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年4月13日

 さらに、激しい空爆にも関わらず、革命防衛隊が強靭さを保っている理由の一つは分散化にある。昨年の12日間戦争での要人殺害を教訓に、組織は31の地区に分割され、それぞれがミサイルやドローンを含む兵器と攻撃目標リストを独自に保有し、中央司令部からの指令が途絶しても作戦を継続できる体制が整えられている。

 革命防衛隊で国内治安を担うバシジ(民兵)も同様に小規模な細胞に分散し、イスラエルがバシジの拠点を攻撃し出すと、モスクや学校などに拠点を移して活動している。これは米国とイスラエルにとって悪いニュースだ。非中央集権化している革命防衛隊のそれぞれの部隊が独自に戦闘を継続し、ホルムズ海峡封鎖などを長期化させる可能性がある。

 さらに、数週間前に比べて体制を崩壊させようとする外部からの圧力は当初の想定より弱まっている。国内での大規模な民衆蜂起の期待も薄れている。戦争終結後に体制崩壊が起きるとの見方は後退し、むしろイランは以前より強固で抑圧的な軍事主導国家へと変質しつつあるとの懸念が広がっている。

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停戦合意が破綻するとどうなるか

 米国とイランは、4月8日、2週間の停戦とホルムズ海峡の解放に合意した。しかし、それも束の間、イスラエルがレバノンのヒズボラを攻撃し続けていることを理由に、イランがホルムズ海峡を再封鎖するなど、極めて脆弱な停戦である。

 この停戦合意がなされた理由の一つは、イラン側の攻撃手段(弾道ミサイル、巡航ミサイル、ドローン)か米国・イスラエルの防御手段(迎撃ミサイル)のどちらかのストックが尽きるまで衝突が終わらないものと思われたところ、どうも米・イスラエル側の防御手段に限界が生じつつあったようだ。米軍は、暫く前に韓国に配備していたTHAAD(長射程迎撃ミサイル)とパトリオット(拠点防御用ミサイル)を中東方面に移動させ、最近の報道によれば、ウクライナ支援用に製造していたパトリオットを中東に振り向けることにした模様だ。イスラエルも長射程迎撃ミサイルが不足し、イラン側のミサイルが命中するようになっていた。

 トランプ大統領としては、このまま消耗戦が続けば米国が不利なので早期に衝突を終わらせたいという焦りがあったのではないか。


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