世界の石油市場をコントロールしてきた石油輸出国機構(OPEC)の有力メンバー、アラブ首長国連邦(UAE)が5月1日に同機構から脱退すると発表した。OPECを主導してきたサウジアラビアとの確執が主な理由とされる。
UAEのOPEC脱退はサウジアラビアとの物別れを表出させている(2025年9月、提供:Abdulla Al Bedwawi/UAE Presidential Court/ロイター/アフロ)
だが、その背景には、OPECに打撃を与えようとする米国とイスラエルの策謀があるようだ。中東再編の動きがさらに加速する雲行きだ。
黒幕はトランプとネタニヤフ
「UAEのムハンマド国王の決断は偉大だ。彼をよく知っているがとても賢い。原油価格を下げるためにも良いことだ」
米国のトランプ大統領はこう言ってUAEのOPEC脱退に賛同した。大統領はこれまでOPECが世界を食い物にしているなどと非難してきた。
確かに石油価格の統制に大きな役割を果たしてきた「石油カルテル」の一角に大きな穴が開いたことは事実で、イラン戦争が終われば、油価の引き下げにつながる可能性もある。UAEは長い間、「生産量の割り当て」というサウジの方針に不満を抱えてきた。とりわけOPECにロシアなどを加えた「OPECプラス」体制になってからは割り当て量が少ないと異を唱えてきた。
UAEの石油生産量は日量約360万バレル。ムハンマド大統領は「世界がクリーンエネルギーの開発に動き、化石燃料から離れる前にできるだけ多くの石油を売る」という考えで、石油関連施設のインフラ投資に膨大な資金を投入してきた。
実際には日量500万バレルの生産が可能だという。今回の脱退について専門家は「UAEの独立宣言」とみている。
