金正恩はすでに国内で王朝の権威を固めているものの、外部からの承認も必要としている。金正恩は習近平を盛大に歓迎することで、自らの権威にさらなる正当性を加える必要がある。また、北朝鮮が将来的に国際社会に復帰し、米国の制裁の一部解除を実現したいのであれば、中国の仲介と安全保障の保証が必要となるだろう。
習近平の北朝鮮訪問は、現実に立脚した、より実利的な二国間関係を構築するだろう。そして、伝統的な友好関係を引き続き重視していく。
北朝鮮は今後も中国の保護と支援を必要とし、中国は北朝鮮を交渉材料として必要とするだろう。
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中国が見直した北朝鮮との関係
習近平は13年3月の国家主席就任以来今日まで、北朝鮮を訪問したのは19年6月の一度だけだ。ようやく 7 年ぶり2回目の訪朝となる。
これに対し、金正恩はこれまで5回訪中している。そのうち4回は18~19年に集中している。2回はシンガポールでの米朝首脳会談の前、あとの2回はハノイでの米朝首脳会談の前であった。
また、習近平の過去1回の訪朝は、ハノイでの米朝首脳会談の数日後、前年18年7月に米国が大規模な対中関税を課した約半年後であった。その後は首脳間の往来のない期間が続き、昨年の中国における軍事パレードへの金正恩の訪朝を経て、今回の習近平の訪朝になった。
上記論文の著者、鄧聿文(Deng Yuwen)は、13年まで中国共産党中央党校の「学習時報」で副編集長を務めていたが、同年にFinancial Timesに寄稿した論文が「中央党校の公式見解に反する」として更迭された。鄧聿文は、中朝関係の節目には重要な論文を発表している。以下、それらを補足として紹介する。
第一の論文は、副編集長解任理由となった13年の「中国は北朝鮮を見捨てるべき」と題するもので、今回とは真逆の主張を展開するものであった。当時は北朝鮮による3回目の核実験が強行され、同論文は北朝鮮に核兵器を放棄させるべきことはもちろん、いずれ北朝鮮が中国に対し「核による脅迫」を行う可能性さえ否定できないとして、北朝鮮との「同盟関係を見直す」ことを提唱した。
当時の中国は、これを中国の「公式見解に反する」として鄧聿文を解任したが、実際に中国がとった行動はほぼ同人の論文に書かれた内容に沿ったものになっていた。北朝鮮の核実験には中国も強く非難し、国連安保理の経済制裁決議を日米韓と主導する姿勢も見せていた。
