2026年6月19日(金)

勝負の分かれ目

2026年6月19日

 久保に代えてFWの小川航基を投入。同時に右ウイングバックの堂安律を菅原由勢、右センターバックの渡辺剛を冨安健洋へ交代する。結果的に、この“三枚替え”が試合の流れを変えた。森保監督は試合後、「攻撃的な選手をより前線に配置してターゲットになるというところと、ゴールに向かう強みを持った選手を起用した」と説明した。

 実際、小川投入によって前線の圧力は増した。上田綺世との関係性も含め、中央で相手守備陣に与えるプレッシャーが強くなり、日本はより直接的にゴールへ迫れるようになった。

 ただ、それ以上に大きかったのが右サイドの活性化だった。冨安が右センターバックに入り、菅原が高い位置を取りながら攻撃参加を繰り返す。そして途中出場の伊東純也が自在に動き回る。

 このトライアングルが機能したことで、日本は終盤にかけて右サイドから何度も決定機を生み出した。菅原自身も「負けている状況だったので、とみくんとコウキくんと一緒に出ることで、しっかり点を取りに行くというメッセージをピッチで表現しないといけなかった」と振り返る。

分かっていた途中交代選手の役割

 “三枚替え”は単なる戦術変更ではない。ピッチの選手たちに対する「勝ちに行く」というメッセージでもあった。さらに興味深いのは、その右サイドが偶然機能したわけではないことだ。菅原は伊東との関係について、「昔から5バック(3バック)の時はずっと一緒に組んでいた。純也くんが何を求めていて、どういう配球を好むのかは話さなくても分かる」と明かしている。

 これまで代表で培ってきた関係性が、大舞台で力を発揮した。伊東も「自分が入ってから右サイドでチャンスを多く作れたと思う」と語り、「相手が寄せてこないと感じたので、シンプルにクロスを上げたり、裏へ抜けたりすることを意識した」と振り返った。その結果、オランダは対応を迫られる。

 後半36分、ロナルド・クーマン監督は左利きセンターバックのナタン・アケを投入。4-3-3から5-4-1へシステムを変更した。リードしている側が守備強化を選択したのである。これは日本の攻勢が機能していた何よりの証拠だった。

 菅原も「オランダが5バックにするのは想定内だった」としながら、「逆にそうなったということは僕らがボールを持てる時間、もっと攻めていい時間だと思えた」と語った。終盤の主導権は確実に日本が握っていた。ここから森保監督は前線で攻守に奮闘してきた上田に代えて、W杯デビューとなる21歳の塩貝健人を送り込む。

 相手のクーマン監督も疲れの見えるエースのコーディー・ガクポを下げて、パワフルなFWブライアン・ブロビーを入れるが、これによりガクポのいた左サイドに回ったメンフィス・デパイは守備に問題があり、日本がパワーをかけていた右サイドからの攻撃がさらにオランダを脅かした。

 そして後半41分、日本は右サイドで伊東が得たCKから同点に追い付く。伊東のキックに小川が飛び込み、ボールは鎌田大地の頭をかすめてゴールへ吸い込まれた。


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