韓国の李在明大統領は6月4日、就任1周年を迎えた。革新は安全保障に弱いという前評判にも関わらず、日米との関係強化から原子力潜水艦建造への着手まで保守系大統領以上の成果を収めている。そのような中で、2040年を目標とする「兵力削減型」韓国軍の青写真も示された。
李在明大統領就任1周年の通信簿
李在明大統領が6月8日、就任1周年の記者会見に臨んだ。青瓦台迎賓館で内外の記者約160人を前に掲げた標語は「代替不可能な大韓民国」。世界が注目する国から、世界が必要とする国へ。そう述べた李大統領は、圧倒的優位の産業強国、グローバル外交・安保強国、規範が守られる「正常社会」、国民の生命を守る政府という4つの国政目標を提示した。
目を引くのは、革新系でありながら安保を前面に押し出した点だ。進歩政権は安保に弱いという先入観を覆すかのように、この1年、原子力潜水艦の建造推進、戦時作戦統制権の早期転換、対日外交の正常化に力を注いできた。実用外交を掲げ、就任147日で米韓首脳の相互訪問を完成させ、関税交渉も3500億ドルの対米投資を条件に決着させた。
中でも象徴的なのは原子力潜水艦だろう。ディーゼル艦の3倍を超す速力とほぼ無制限の潜航能力を備え、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を積む北朝鮮潜水艦を常時追尾できる戦略資産とされる。
昨年11月、米国との共同説明資料(ファクトシート)で、韓国は原潜建造と核燃料の濃縮・再処理権限をめぐり米国の公然たる支持を取り付けた。原潜は米国産燃料の供給を受けつつ韓国国内で建造し、2030年代半ばの就役を見込む。前提となる米韓原子力協定の改定も、数十年来の懸案として動き出した。
対北朝鮮では現実路線が際立つ。最終目標を非核化に置きつつも、李大統領は北朝鮮が年に10〜20発分の核物質を生産し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術も最終段階に近いとの認識を示した。当面は核物質の追加生産停止、海外搬出の阻止、ICBM開発の中断を短期目標に据えて交渉すべきだという。

