野嶋剛が読み解くアジア最新事情
アジアウォッチャーの第一人者である記者が、中国、台湾、香港を起点に、アジアを複眼的にウオッチしていく。

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2019/12/05 野嶋 剛
アニメといえばアジアでは完全に日本の独壇場であり、普段は日本のアニメを消費する側だと思われてきた台湾から、日本に輸出される本格的アニメ作品が現れた。11月末から全国上映が始まった『幸福路のチー』である。
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2019/09/28 野嶋 剛
今年5月、アジアで初めて同性婚が合法化された台湾。映画でも、性的マイノリティ(LGBT)問題が絡んだ作品が多く制作され、『藍色夏恋』『GF*BF』など商業的な成功を納めたものも少なくない。その台湾で2018年に公開されて話題を呼んだ映画「…
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2019/09/03 野嶋 剛
6月から始まった香港の反逃亡犯条例改正への反対運動が、どうやら新たな局面に差し掛かったようだ。香港政府が反対派勢力に対する対応方針を「消耗戦」から「殲滅戦」に切り替えたように見えるからだ。そのことが明らかになったのが、8月30日を中心に展…
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2019/08/21 野嶋 剛
F16の売却を報じた米メディアは、加熱する米中貿易戦争と緊迫する香港情勢において、中国の牽制を目的としたものだという見方を伝えている。だが重要なのは、米トランプ政権が来たる台湾総統選において、現職の民進党・蔡英文総統を支持するというサイン…
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2019/06/26 野嶋 剛
G20に合わせて、香港政府と中国政府にプレッシャーをかけると同時に、習近平氏も参加するG20の場で香港問題が取り上げられる可能性に賭け、「香港人はまだ安心できていない」ことをアピールしたい構えだ。
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G20サミットを前に、習近平が失ったもの
2019/06/20 野嶋 剛ジャーナリストの野嶋剛氏が5月末に香港を訪れた際、現地の民主活動家やジャーナリストは口々に「この改正案は実は中国の金持ちを捕まえるために、中国が香港政府に出させたものなんだ」と話していたという。その真相に迫る――。
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2019/06/15 野嶋 剛
6月28日に開かれる20カ国・地域サミットで初めて議長国を務める日本にとって、習近平・中国国家主席と安倍晋三首相との首脳会談という重要イベントも控え、香港情勢は日本政府に難しい対応を突きつけている。
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2019/06/13 野嶋 剛
香港の若者たちは「香港を守るための最後の戦い」「自分たちの屍を乗り越えてほしい」など、悲壮な決意をメディアやSNSで表明しながら、警察に立ち向かっていった。
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2年前に私が出馬を予想していたワケ
2019/04/19 野嶋 剛蔡英文総統の人気不足も一言で言ってしまえばリーダーシップの欠如に起因していると言わざるを得ない。テリー・ゴウのリーダーシップは独裁といっても過言ではないほどだが、その点は保証つきである。
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2019/04/11 野嶋 剛
中国映画で「戦争」がテーマといえば、日中戦争、そして国共内戦だ。この2つの戦争はいずれも「勝者」の物語で一貫している。だが、中越戦争で中国は勝者とは言い切れない。その意味でも貴重な価値のある本作は日本人も見ておくべき作品だと思う。
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2019/03/19 野嶋 剛
頼清徳氏は、人気では民進党の政治家のなかではナンバーワンだが、党内の主流派は蔡英文総統の再任を目指すことで一致しており、複雑な戦いになりそうだ。
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2019/02/12 野嶋 剛
日本美術界にとって「奇跡の発見」と称してもおかしくない戦後初公開の名品中の名品が、顔真卿展会場の目立たない場所でひっそり展示されている。
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2019/01/31 野嶋 剛
雨傘運動後の香港映画たちが突きつけられた難題に対して、『誰がための日々』はひとつの答えを見せてくれる作品となっている。
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香港雨傘運動の「女神」が語った中国への抵抗の決意
2019/01/09 野嶋 剛香港雨傘運動で中心的な役割を担い、「民主の女神」とも称される周庭(アグネス・チョウ)さん。J-POPや日本のアニメが大好きな彼女は、この年末年始を日本で過ごした。中国の圧力が強まり、存亡の危機に瀕していると言われる香港の民主。周庭さんはそ…
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2019/01/08 野嶋 剛
中国は、経済成長で豊かさを手に入れた。しかし、成長に追いつけない人々には、満たされない欲望の空洞が生まれた。映画人たちは、その空洞を、あの手この手で描きだす。本作でも、欲望の空洞に侵された男の破滅が描かれる。時代の変化に乗り遅れる者とそう…
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2018/12/26 野嶋 剛
「福島など5県の食品輸入を禁じる規制を継続する」という住民投票を行い、77.7%の賛成票を集めて可決された台湾。その背景を、ジャーナリスト・野嶋剛氏が読み解く。
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明かされる「華麗なる一族」の正体
2018/12/12 野嶋 剛逮捕のなかで、孟晩舟が父親の任正非と姓が違うので、どのような関係にあるのだろうかと興味が湧いた。香港、台湾、中国、米国のメディアの報道を総合してみると、「華麗なる一族」が浮かび上がった。
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統一地方選挙後の中台関係
2018/11/27 野嶋 剛民進党から国民党にトップが交替した高雄市や台中市には目に見える「配当」を与え、台湾社会に「親中・反中」の間で分断を作り出そうとするに違いない。
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2018/11/21 野嶋 剛
まるで流れ星のように終わってしまった翻訳家としての活躍は、この10年の台湾文学を一掴みにして日本の読者に投げつけて、「さあ、楽しんでくれ!」と言い放って消えていったようなものだ。ひどい仕打ちではないだろうか。
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2018/11/07 野嶋 剛
台湾で次期総統選の行方を大きく左右すると見られる統一地方選が11月24日に迫っているが、与党・民進党の敗北は不可避な情勢だ。4大都市である台北、新北、台中、高雄のすべてを落とす可能性があり、特に民進党優勢の地盤で安泰と見られた高雄で敗北す…