2025年4月13日(日)

勝負の分かれ目

2025年4月8日

 森保一監督が率いるサッカー日本代表は北中米W杯に向けたアジア最終予選で世界最速の予選突破を決めた。来年夏に行われる本大会に向けて期待が高まる。2022年末に開催されたカタールW杯ではドイツ、スペインを撃破する快進撃を見せたが、ベスト16でクロアチアにPK戦で敗れて史上初のベスト8を逃す結果となった。

森保監督が記者会見で語ったこと

 日本代表で初めて2サイクル目を迎えた”第二次・森保ジャパン”において、森保監督は「世界一」という明確なチーム目標を口にする。カタールから10カ月後の23年9月に行った欧州遠征において、アウェーの親善試合でドイツに4-1の大勝を飾った後あたりから、より明確になっていったが、その目標について、予選突破を決めた翌日の記者会見で「私自身は世界一という目標について、2つ考えているところがある」と語った。

W杯アジア最終予選の突破を決めた試合後の森保一監督(Kenta Harada/GETTYIMAGES)

「日本サッカー協会(JF A)が2050年までにW杯を優勝すると宣言している。2050年までという年号はなく、W杯優勝を目指す中で戦っていくということで、私自身が監督をさせていただいていて、世界一になるという強い気持ちを持ちながら、現実にどうステップアップしていくかというところを考えていきたい。もう1つはカタールW杯の時、その前のロシアもそうだったが、特に監督をさせてもらったカタールW杯のクロアチア戦の敗戦後、もっと上に行けたなという思いと、選手たちが絶対に行けたという思いがあることを試合が終わった後にすごく感じた」

 そうビジョンを説明した森保監督。JF Aとしての優勝目標は「2050年まで」つまり6大会後までになるが、森保監督は今から優勝を目標に掲げることで、そこを基準にした課題がより明確に見えてくるということを語っていた。しかし、最終予選での戦いやカタールを経験した選手たちの成長、所属クラブでのステップアップや選手たちの意識によって、よりリアルな目標として描きやすくなっているのは確かだろう。

 過去にも2010年、14年、18年の3大会に出場した本田圭佑がそうであったように、大会にいる以上、優勝を目指すべきという発言をしていた選手はいる。しかし、現在はキャプテンの遠藤航(リバプール/イングランド)を筆頭にカタールを経験した”森保ジャパン”の選手たちもW杯優勝をチームの目標として共有しており、それがカタール後に代表入りした中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)や小川航基(N ECナイメヘン/オランダ)、新守護神の鈴木彩艶(パルマ/イタリア)などにも伝搬しているのが、今の”森保ジャパン”だ。


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