サッカーJリーグの浦和レッズがACLことAFCチャンピオンズリーグのファイナルで、サウジアラビアの強豪アル・ヒラルを2試合の合計スコア2-1で破り、三度目となるアジア王者に輝いた。今回は2022年シーズンのファイナルだったが、昨年末にカタール・ワールドカップ(W杯)があったこと、さらに次回から〝秋スタート〟の大会となることなど、いくつかの要素が重なり、4月29日にサウジアラビアのリヤドで第一試合、5月6日に埼玉スタジアムで第二試合が行われることとなった。
第一試合は〝完全アウェー〟と呼ばれる環境ながら、現地に足を運んだ700人もの浦和サポーターに後押しされて、一度はリードを許しながらFWの興梠慎三が殊勲のゴールを決めて、1-1という結果を持ち帰った。そして1週間後、粘り強く相手の攻撃に耐えながら、後半の立ち上がりにFKの流れで相手のオウンゴールを誘って、合計スコア2-1に。相手の猛攻にも耐えて優勝を掴み取った。
ポーランド人のマチェイ・スコルジャ監督が浦和にやってきて4カ月での快挙だったが、その間にチームが成長してきた成果が出た形である一方で、チームをファイナルに導いたのは「リカルド・ロドリゲス前監督の仕事である」とマチェイ監督は強調し、前監督が2年間で作ってきたことに、改めて感謝の気持ちを示していた。
掲げた「3年計画」と
2020年シーズンの意味
浦和は20年のシーズンに向けて「3年計画」を掲げて、3年目の22年までにクラブ史上、二度目となるJ1リーグの優勝を果たすというプランを打ち出していた。その前年となる19年は、かつて鹿島アントラーズを三連覇に導いた名将オズワルド・オリヴェイラ監督体制の2年目であったが、成績不振により途中解任。前年の春先に暫定監督を務めていた〝組長〟こと大槻毅ヘッドコーチが正式に引き継いで、残りのシーズンを戦った。
その年のJ1リーグは14位に終わるが、同年のACLは躍進して、年末のファイナルに勝ち進んだ。しかし、多数のサウジアラビア代表選手と強力な外国人タレントを揃えたアル・ヒラルに2試合の合計0―3と完敗した。
そうした結果を受ける形で、中村修三ゼネラルマネージャー(GM)、北野大助GM補佐が退任となり、新たなフットボール本部が置かれる形に。新たに就任した土田尚スポーツダイレクター(SD)と西野努テクニカルダイレクター(TD)が打ち出したのが「3年計画」だった。