2024年12月22日(日)

インドから見た世界のリアル

2023年12月18日

 前々回にダッカで書いた論考「中立なインドがハマス攻撃でイスラエルを支持する理由」、前回のケープタウンで書いた論考「グローバルサウス、G20第2回サミット開催 インドの思惑」に引き続き、フランス領、レユニオン島でこの論考を書いている。本稿は、この日本人にはなじみがない島が実は戦略的重要地で、日本として対応を迫られるかもしれない、という論考である。

レユニオン島(筆者撮影)

レユニオン島はどこか

 レユニオン島は、インド洋にある島である。北はほとんど海。東もほとんど海。モーリシャスが200キロメートル(㎞)先にあるが、それだけで、あとは豪州まで海、海、海。

 南は南極まで海。西には陸地があるが、それはマダガスカル島で、800㎞先である。東京から大阪が500㎞だから、その距離がわかる。

レユニオン島では木々の葉が美しく赤くなっていた(筆者撮影)

 インド洋の真ん中で孤立しているような島である。飛行機でいくわけであるが、現地の航空会社エア・オーストラルの飛行機がバンコクから飛んでいるものの、本数が少ないので、滞在は短くても1週間くらいになる。

 こんなところだから、これまであまり注目されていなかった。唯一、フランスにとっては重要で、大学を設置し、アフリカの各国から留学生を受け入れ、それらの留学生が本国に帰ると指導層になり、フランスの影響力を行使する拠点である。

 自然資源や水産物も豊富で、観光業は発達している。だから、人口も100万人いて、治安もいい。フランス政府として一定程度発展させてきたところである。そして、フランス海軍のインド洋艦隊の主力部隊が駐留している。


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