2024年5月2日(木)

インドから見た世界のリアル

2023年10月9日

 今年の初め、インド空軍の戦闘機が日本に来て、航空自衛隊と共同演習を開いたばかりだが、インドはさらに大きな演習を企画しているようだ(「インドの戦闘機が日本に来る!それがなぜ重要なのか?」)。2023年10月か11月に向け、インドは、日米豪印英仏空軍の戦闘機と6カ国のオブザーバーを含む共同演習「タラング・シャクティ」を企画している。もし実現すれば日米豪印4カ国の枠組みQUAD+初の空軍共同演習になるだろう(※この演習は、2024年に延期され、現在、調整中)。

 これまで、インドは、印中国境において中国を刺激しないために、QUADの協力は、海を中心にしてきた。だから、QUAD4カ国すべてが参加する演習は、海軍の演習に限られてきたのである。

 しかし、20年に印中間で衝突が起き100人以上の死傷者が出て以降、印中両軍はハイテク兵器を並べて、対峙している。そのような環境の中、22年には、米空軍のB1爆撃機が印中国境付近の空軍基地に来て演習をするなど、インドの態度は変わり始めている(「印中国境の米印軍共同演習に日本が参加する意義」)。「タラング・シャクティ」は、そのわかりやすい例になるだろう。

インド空軍博物館(筆者撮影、以下同)

 では、インド空軍はどの程度の実力をもっているのだろうか。空軍の実力を測る指標としては、保有する武器や、予算などを参考にすることができる。だが同時に、過去の実績もまた重要な指標である。

 最近、筆者はインド空軍博物館を訪ねる機会があった。そこで、本稿では、そこで見た、インド空軍の実績に焦点を当てて、その実力を分析することにする。


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