赤澤亮正経済再生担当相が4月16日(現地時間)、関税交渉のために渡米しホワイトハウスを訪れた。当初は、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表らとの閣僚級の協議になるはずだったのが、トランプ大統領は顔を出しただけでなく、そのまま大統領との会談となり、会談は50分間に及んだ。これが想定外だったことは、テレビカメラが財務省に集まっており、会談の模様を中継できなかったことからも明らかである。

トランプ大統領はなぜ、赤澤経済再生担当相との会談をしたのか(提供:Molly Riley/White House/ZUMA Press/アフロ)
この会談でのトランプ大統領の発言について、赤澤大臣は多くを語らない。が、主要メディアの報道によれば、トランプ大統領は、在日米軍の駐留経費負担の増額、日本国内での米国製自動車の販売数の増加、対日貿易赤字の削減を求めたという。いずれも厳しい要求であったが、大統領は「日本との協議が最優先」との考えを示した。
そのような要求項目は、閣僚が示してもよかったわけで、国内問題の対応に追われ世界全体を相手にするなど多忙を極める大統領が、50分もの時間を割いて直接会談に臨み、「日本との協議が最優先」と表明した。さらに会談後「日本の貿易代表団と会えたことは大変光栄だ。大きな進展だ」と発信するなど、通常の応対を超えたものであったといえる。このような好待遇の裏には、米国側のどのような狙いや本音が隠れているのだろうか。