NHKドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』(火曜よる10時から)は、難病にかかった麦巻さとこ(桜井ユキ)が季節の食材を活かした「薬膳」と、周囲の人々によって生きる気力を取り戻していく異色のドラマである。
さまざまな苦労に追われている現代人が、この作品をみるとホーっとした気分になる。頭を悩ます雑事など、ささいなもののように感じる。
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関節のはれやこわばりなどの症状が出る「膠原病」を発症した、独身のさとこは建設会社の正社員を辞めて会社の先輩の紹介で、小さなデザイン会社のパートタイマーとして週に4日働き始める。膠原病は治すのではなく、一生付き合っていかなければならい。心のよりどころにしようとマンションを買う夢をあきらめたうえに、収入が減ることから家賃が月額5万円のアパートに引っ越す。
隣の部屋に住んでいるのが、大家の美山鈴(加賀まりこ)とその息子と称する羽白司(宮沢氷魚)だった。会社を辞めてフリーターとなった司(宮沢)が困っているときに拾うようにして、同居を進めたのが鈴(加賀)だった。
司は季節の旬の野菜などを使った「薬膳」を趣味にしている。将来に不安でたまらないさとこ(桜井)は、司が作って鈴が届けてくれた大根のスープを飲むと心が落ち着くのだった。翌日、さとこは司に「薬膳」の作り方を教えてもらえるように頭を下げたのだったが、司は断ったうえに逃げるように部屋に帰っていった。