2024年12月22日(日)

インドから見た世界のリアル

2023年2月14日

 先月、インド空軍が日本に来て演習をしたばかりだが、今月17日、インド陸軍も日本に来て、日印共同演習「ダルマ・ガーディアン」を実施する。この演習がなぜ重要なのか、3つの観点から、指摘することにした。実は、この演習は、より戦略的な意味で、とても重要なのである。

日本の陸上自衛隊とインド陸軍の共同演習「ダルマ・ガーディアン」が日本で行われる(朝雲新聞/時事通信フォト)

「ダルマ・ガーディアン」とは

 そもそも「ダルマ・ガーディアン」とは、何だろうか。これは2017年に日印間で合意され、18年、19年、21年と継続して行われてきた陸上自衛隊とインド陸軍、それを支援する航空自衛隊とインド空軍を含めた共同演習のことである。

 これまで3回は、常に日本側がインドへ行き、演習を行ってきた。今回初めて、日本で行われる。

 訓練内容は、対テロである。インドは、過去70年、テロや反乱の問題を抱え、その対応に追われてきた。特に、パキスタンが、インド国力を削ぐためにイスラム過激派を支援する、いわゆる「千の傷戦略(テロによって小さな傷を千つければ、強い相手も弱くなるという戦略)」を採用してからは、イスラム過激派のテロに長期に悩まされたのである。

 結果、インドには世界屈指の対テロ作戦のノウハウが蓄積されていて、世界中の国がインドへ学びに行く。そこで、日印の陸上部隊で、そのノウハウを共有し合うことになったのである。

 直接的には、北朝鮮や、中国、ロシアも、日本に特殊部隊を潜入させてきて、市街地でテロを行ったり、要人を暗殺したりするかもしれない。または国連平和維持活動(PKO)に参加した時、日本もテロや反乱に遭うかもしれない。そういったとき役立つものである。


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