南アフリカに中国とロシアの海軍が来て、3カ国で海軍共同演習などを行っているのである。中国の展開は、レユニオン島も対象で、すでにレユニオン大学には、中国政府の出先機関とも言われる中国語教育機関、孔子学院が設置されている。
そこで、このような動きに危機感を覚えたフランスが、今回の国際会議を開催し、QUADとの連携を模索しているのである。
動くフランス、米国、インド
実は、このような動きに危機感を覚えたのは、フランスだけではない。米国、インドの動きも盛んになっている。
米国は、インド洋では、ディエゴガルシア島を拠点に展開してきた。今回、バンコクからレユニオン島へ向かう飛行機は、ディエゴガルシア島の近くを通っており、中継地であることがわかる。
このディエゴガルシア島は、米国が英国から借りる形で基地を設置しているのだが、その領有権をめぐって、英国とモーリシャスの争いになっている。現地で聞いた情報では、英国はモーリシャスへ料金を支払うことを提案したが、モーリシャスが価格を異常なほど釣り上げて、もめているとのことだ。中国はモーリシャスの動きを支援して、米国軍を困らせたいと、考えているかもしれない。
最近動きが激しいのはインドだ。インドは、マダガスカル、モーリシャスなどに海軍施設を設置してきた。海軍展開のための通信施設である。
また、最近は、モーリシャスやアフリカ沖の島国セーシェルのための海軍の港を設置する話を進めている。セーシェルやモーリシャスは大きな海軍を持っていないから、事実上、インド海軍が使用する施設とみられているが、特にセーシェルで反対運動が起き、計画通り進むかどうか、疑問視されつつある。おそらく中国が反対運動を支援しているのだろう。